24歳で農業法人の社長!アメリカ帰りで楽天農業から独立したMr.Organicの起業秘話

24歳で農業法人の社長!アメリカ帰りで楽天農業から独立したMr.Organicの起業秘話
このエントリーをはてなブックマークに追加
Viberで送る
最終更新日:2022.08.31 公開日:2022.03.10

2021年9月、24歳の若さで農業法人を立ち上げたMr.Organic株式会社の金子幸寛(かねこゆきひろ)さん。アメリカから始まった就農生活、そして楽しそうに農業をする笑顔の理由を取材しました。

目次

アメリカで就農1年半

アメリカで就農1年半

――いつから農業を?
高校卒業後、愛媛県立農業大学校にいってからです。はじめに直売所で売る体験をするのですが、お客さんが笑顔で買ってくれた時に快感を覚えました。そこから農業楽しい!ってなりましたね。

農業大学校を卒業してすぐ、国際農業者交流協会でアメリカのカリフォルニア州、グリーンパラダイスファームで働きました。

日本の野菜を作っているアメリカの畑

日本の野菜を作っているアメリカの畑で、きゅうり、トマト、なす、ねぎ、水菜を中心に栽培していました。

現地のトマトはめっちゃ硬くて加工用なので、生のまま食べておいしい日本のトマトは、トマトジュースの会社や日本の企業向けに卸したり、ロサンゼルスのリトルトーキョーにある日本食スーパーで売っていたりしました。

――日本人スタッフは他にも?
いや、僕だけです。50人のメキシコ人と一緒に住んでいました。彼らはみんな陽気で、ウェルカム感がすごくて、いつも仕事が終わったら爆音を流して踊っていたので、とっても楽しかったです。

でも英語だと思って勉強をしていったら、英語じゃない!スペイン語でみんなしゃべるので、スペイン語を学ぶところから始めました。1年半暮らしていたので、日常会話はしゃべれるようになりましたね。

楽天農業では1年で主任に

楽天農業では1年で主任に

楽天農業にはアメリカから帰国後、2020年1月に入社しました。当時やっていたラグリというサービスで「自分の顔で野菜を売れるのがいいな」と思ったのがきっかけです。

入社後は、愛媛県の伊予農地へ配属され、美味しい有機野菜を大量に作る仕事が始まりました。ラッキーなことに4月には20人も新卒で入った後輩ができて、その1年後には主任になりました。

――スピード昇進ですね!
アメリカ時代は16時間労働をしていたのもあって、普通の勤務時間だと自分の時間が余っちゃって、どうしよう!畑に泊まっちゃえ!という感じで、農業をしていたからかもしれません。

後輩の指導も力で教えるより時間だなと思って、室地君(上の写真右)に「一緒に遊ぼうや」と言って、寝袋をもって畑にいったりしましたね。

アメリカ時代のスケジュール表

これはアメリカ時代のスケジュール表ですが、日曜が半日休みで、あとは朝5時~夜22時まで仕事。メキシコ人は朝起きるのが早いんです。でも夜は騒いで楽しく暮らしていたから、その感覚が身についているんでしょうね。

2021年9月独立農家へ

2021年9月独立農家へ

――独立農家の話がきた時、どうでしたか?
すごく運が良いと感じました。元々農業大学校に在籍していたころから、大手企業の契約農家になることが夢たったので、楽天ファームで販売できるという独立の話は嬉しかったです!

これまで様々な農業生産法人、農事組合法人、地域の農家さんとお話する機会がありましたが、ここまで魅力的な条件は楽天農業(株)だけでした。やり方次第でなんとでもなると思っています。

――とっても楽しそうですね!
はい、今は幼なじみだった地元の友達と一緒に楽しく栽培しています。彼は元アパレル関係から脱サラしたモデル体型のイケメンです。 

農作業は、仕事というより遊びの感覚もあって、時間の縛りもなく、やるときは24時間働きますし、雨の日は休むこともあるし、天気をみて作業を判断していく面白さがあります。それに独立してタイムカードを押さなくていいって最高です。

また、近隣農家ともようやく仲良くなってきたので、いろいろお話も出来て、さらに楽しくなってきました。

2021年9月独立農家へ

僕の畑は楽天農業(株)から土地を借りていますが、ここ上須戒地区を選んだ理由は水が引かれているからです。水を運んで農作業をするより圧倒的に効率がいい!この畑は楽天農業時代の実績だけを見ると、あまりよくありませんが、手の入れ方次第では十分に育ってくれる環境ですよ。

2021年9月独立農家へ

――独立して、まわりの反応はどうですか?
家族はものすごく応援してくれて、老後に雇ってくれと言われます(笑)友達も元同僚もすごく応援してくれています。

あとは楽天農業(株)の遠藤社長(写真右)がとても応援してくれます。農地へきて、直接指導してくれることもありますね。

以前、「係長、課長クラスに負けないようについていきます!」と言ったら、「大丈夫!期待してるよ!」と独立を勧めてくれたのも遠藤社長です。その言葉に勇気をもらったので、期待を裏切らない様にしたいと思っています。

悔しさが品質向上のモチベーション

悔しさが品質向上のモチベーション

――他の独立農家スタッフは意識しますか?
はい、週に1回ミーティングがあるのですが、一番結果を出している中岡さんに勝ちたいなって思います。

中岡さんはもともと上司で、入社時に僕の実力を買ってくれて中岡さんのチームに配属されたこともあって、ずっと気にかけてくれている方です。

段取りもいいし、プレゼンもうまいし、美味しい野菜を届けることを数字で追っている人だから、もともと仕事ができるんです。だから、すごいし、羨ましいし、悔しい!

2021年9月独立農家へ

先日、僕のブロッコリーは不満足だったのですが、中岡さんがめちゃくちゃいいのを出していたから悔しかったです。
僕はあのときああしておけばよかった~が多すぎました。次こそリベンジです。打倒、中岡!と考えると、励みになります。

日本らしい野菜の価値を上げたい

日本らしい野菜の価値を上げたい

正直なところ、競合になる有機生産者は増やしたくはありません。その分、自分が規模拡大をはかり、楽天農業全体を押し上げられれば幸いです。未来の日本農業では、土地の奪い合いになると個人的には思っているので、「金子さんにこの土地で有機栽培をして欲しい」と任されるくらいになりたいですね。

そして、日本らしい野菜の作り方、売り方、在り方、アイデア等で有機野菜の需要が増えて、日本農家自体の価値があがっていくと嬉しいです。

本当に農家って頭いいな。すごい!って思います。
農地へ遊びにきた友達に余った野菜をあげたら、勤務先で配ったようで「みかんより嬉しいよね」って喜ばれました。愛媛ならではですね。今は、余ったキャベツを親にあげる時が、1番幸せを感じます。

――Mr.Organic株式会社という社名の由来は?
ちょくちょく僕、この農薬使えたらな~50年前は薬なしで有機野菜が当たり前の中、どうやって作っていたんだろう~?と思います。目標としているところが、オーガニック野菜の大量生産になりますので、自分への戒めとして、オーガニックと名乗りました。

もし農薬を使ったら、作業は減るし、もっとキレイにも作れます。でもそれって楽しくないんです。それに実は僕、野菜が好きじゃない…だからこそ野菜嫌いな人でも食べたくなる美味しい野菜を作りたいと思います。

Mr.Organicとして、これからもお客様の笑顔のために、農薬・化学肥料に頼らない美味しいオーガニック野菜をたくさん作ってお届けできるよう頑張ります。

金子さんが栽培している100%オーガニック野菜はこちらからご購入いただけます!!

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • Motty

    農むすび編集長。埼玉県深谷市出身。農家の孫。日テレAD時代、おしゃれカンケイを担当。農家さんの人となりをドラマチックに伝えたいと取材記事を書きはじめた。好きな農作物はメロン。農業は自然の恵みあってのもの。神社のお祭りで五穀豊穣を祈るのも、大切にしたいと思っている。

楽天ラグリ公式SNS

ライターKikaがほぼ毎日更新中!
followuson
ページ上部に戻る