今年のレモンは最高です!女手ひとつで瀬戸内のオーガニックレモン農家に挑戦する元気な農業女子

今年のレモンは最高です!女手ひとつで瀬戸内のオーガニックレモン農家に挑戦する元気な農業女子
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最終更新日:2024.10.17 公開日:2019.12.12

女手ひとつで育てます!そんな自己紹介が印象的な藤中夏実(ふじなかなつみ)さんは、広島県の瀬戸内海に浮かぶ島でレモンを育てる農家女子。今年のレモンは最高です!!!とのつぶやきを見て、畑に伺ってきました。

目次

船でいく温暖な大崎上島

こんにちは!瀬戸内海の離島、大崎上島にようこそおいでくださいました。

ここは瀬戸内海の中央にあって、船がないと渡れません。広島県側からは竹原港と安芸津港から、愛媛県側からは今治港からフェリーがでています。

この島、暖かいですよね?
私は広島本土の出身なのですが、瀬戸内海に出ただけで、こんなに温暖で過ごしやすいのかとびっくりしています。それと島の人も、とっても暖かいんですよ。本当に移住してよかったです。毎日が楽しくて仕方ありません。

ちょっと天気が心配ですが、畑にご案内します。

今年のレモンは最高です!!!

すごい!畑に着いたら晴れました。農むすびのみなさま、もっていらっしゃいますね。 ここが私のレモン畑です。

そして、あちらに見えるのも私のレモン畑になります。
「女手ひとつ」と言っていますが、本当に私ひとりで栽培しているんです。以前は研修として、大きな農家さんのところで働いていましたが、私はひとりでもくもくと作業をするのが好きなのと、時間を自由に使いたかったので独立しました。

農家になる前はアパレル業界で接客をしていましたが、農家に転職してから、毎日が楽しくて仕方がない!!!こんなに楽しいのにお金もらっていいのかな、なんて思ったくらいです。

今年のレモンは最高です!!!と思わずつぶやいたんですが、肉太りがすごくよいレモンができました。

今の時期だとグリーンレモンですね。実は黄色いレモンより、人の手がかかるので高級品なんです。
グリーンレモンはとっても繊細で、少しの衝撃で皮に傷ができてしまうので、1つ1つ丁寧に扱います。
カゴに入れる時は投げ入れず、カゴの中にそっと置きます。発送前の選別も機械などは使わず、箱づめの時は全て1つずつ自分でよく見て入れるようにしています。

オーガニック認証を目指しています

私はみかんも育てていて、それは農協におろすために指定の農薬を使い、減農薬で栽培しています。 レモンは自分の手で販売したいので、化学合成農薬を一切使わず栽培しています。だから一年中、病気や害虫との戦いです。

実は研修先の農家さんが、オーガニックの有機JAS認証をとっている柑橘農家で、レモン、みかん、オリーブの栽培を習いました。
オーガニックで作るのは大変なのですが、私も認証をとりたくて、有機JASの基準に沿って、農薬や化学肥料を控えて栽培しています。
除草剤が使えないので、草刈りはかなり大変です。全て女手ひとつでやらなくてはいけないので!でもマリオカートみたいな草刈り機があって、それに乗って一気にやるのは楽しいです。

国産のオーガニックの瀬戸内レモンを栽培!そんな農家になりたいな~と思って頑張っています。
(※2020年3月に有機JAS認証を取得し、正式にオーガニックレモン農家となりました!)

驚愕!イノシシが…

この木はイノシシにひっくり返されたことがあるんですが、よくぞここまで復活しました。

イノシシはめっちゃ来ます。
みかん畑に入って、すっごいきれいに皮をむいて食べるので、まるで人間が入ったのかと思うくらいです。でも近所の通りがかりのおじさんが、それはイノシシだよって教えてくれて、柵の直し方や今後の対策も教えてくれます。私がひとりで畑にいると、知らないおじさん達がいろいろ声をかけてくれて、アドバイスをくれるので、楽しいですし勉強になります。

私のレモン畑には1回イノシシが入ったんですけど、レモンではなくミミズを食べに来たんです。それで土を掘って、木を3本ひっくり返されて、立派な成木が死にかけてしまいました。それも人間がやったのかと思うくらい、きれいに引っこ抜かれていて、めっちゃめちゃショックでした。

とにかくなんとかしたくて、毎日畑にいっては土をかけたり、液肥をまいたりして、2本は復活したのですが、1本は枯れてしまいました。それはそれは悲しくて、イノシシをみつけて、追いかけまわしてやろうかと思いました。

その時は腹が立ちすぎて、イノシシは夜にでてくることが多いので、夜に軽トラに乗って畑まで来て、ずっと見張ってたり、電気つけたり消したりして、絶対許さん!ジビエにしてやろう!と思って、待ち構えていました。結局、出てきませんでしたが。

イノシシは畑では遭遇したことがないけれど、その辺をよく歩いています。

アートなお便りを添えてレモンを発送

私は絵を描くのが好きで、農家にしか描けないアートを作りたいと思っています。
家に帰るとよく、昼間に畑でみたレモンを思いだして、切ったときの感触、におい、感じたものを絵にしています。

このお便りはレモンを送る際、生産者の顔とメッセージ、あとは私の描いた絵を添えて、大切に育てた想いも一緒に届くといいなと思って入れています。

女手ひとつで育てた「島の黄色い宝石」
高級なグリーンレモンもまだ入れることができるかもしれません。

ご依頼をいただいてから収穫して、もぎだてフレッシュをお送りしますので、ぜひ召し上がってみてください。
今年のレモンは最高です!!!

取材協力:ふじや

編集後記

「女手ひとつで育てます」なんて、たくましい女性なんだろうな~と思って船を降りると、とっても小柄な可愛い女の子が待っていてびっくり!なんでも明るく話してくれる藤中さんは、まるでビタミンたっぷりのレモンのような存在でした。藤中さんのもぎたてフレッシュのレモンを食べたら、間違いなくみんな元気になれますね。(担当:Motty)

<追記> 取材から4か月後、2020年3月に有機JAS認証を取得され、正真正銘のオーガニックレモン農家さんになりました!おめでとうございます。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • Motty

    農むすび編集長。埼玉県深谷市出身。農家の孫。日テレAD時代、おしゃれカンケイを担当。農家さんの人となりをドラマチックに伝えたいと取材記事を書きはじめた。好きな農作物はメロン。農業は自然の恵みあってのもの。神社のお祭りで五穀豊穣を祈るのも、大切にしたいと思っている。

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