がんばれ!日本の農家さん~おいしい野菜を安心して食べるために~
健康志向の高まりから、「安全な食物を安心して食べたい」という需要が増えています。
でも、出所のしっかりした安全安心のおいしい野菜や作物はなかなか見つからないし、値段も高価。近所のスーパーでは手に入りにくいし、「一体どこでどうやって手に入れたらいいの?」と困っている人もいるかもしれません。需要があるのに手に入りにくいって、なんだか不思議ですよね。
これ、実は作物を育てている日本の農家が苦しい状況に置かれているからなんです。日本の食文化を支える農家さんたちを応援する方法はないのでしょうか?
農家が働きにくい現状とは
日本の農家が抱えるいちばんの問題は、高齢化によって農業従事者が減っているのに、新しい担い手が不足している現状にあります。
また、労働量に対して収入が見合わなかったり、安定した給与制の雇用形態が少なかったりと、収入面への不安から敬遠される傾向も見逃せません。このままだと、農家が減って耕作放棄地が増えていくばかりの悪循環です。
農家自体が減少していて人手も足りない中で、手間暇のかかる作物をつくるのはとても大変なこと。厳しい基準をクリアしなければならない「オーガニック」などの作物の流通量が少なく、また気軽に手に入れることが難しいのも、こういった背景があるからなんです。農業を続けるのも始めるのもの難しい現状で、こだわりの作物を育てることができるでしょうか。
さまざまな形の「農業支援」
『農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)』
農林水産省が行っている取り組みの中に、「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」という制度があります。これは、不安定になりがちな就農前後の所得を確保するための給付金制度で、農業を始める準備の段階から収入が安定するまでの期間を支える目的でつくられました。
このほかにも、新規就農者に対して、所管の官庁や教育機関が幅広くサポートしています。
『地域支援型農業(CSA=Community Supported Agriculture)』
数ある支援対策の中でも、特に注目されているのは「地域支援型農業(CSA)」です。CSAは、生産者と消費者が契約して互いに支え合うことを目的とした農業モデルで、1970年代に日本で生まれました。
このモデルの最大の特徴は、消費者が契約した生産者に農作物の料金を前払いし、農作業や出荷作業などに参加しながら運営に関われること。経営リスクを共有して、生産者と消費者の信頼関係で成立するCSAは、1980年代にアメリカに渡って発展し、1990~2000年代に急増(※)、いまや欧米を中心に世界的に広まっています。
発祥の地である日本においても、有機栽培の振興や「地産地消」の促進、コミュニティの形成など、地域を盛り立てる様々な効果が期待されています。
※CSAの起源や拡大した時期については諸説あり
さまざまな契約農家とつながる新サービス「農業支援」
地域支援型農業(CSA)の制度を取り入れてスタートしたサービスが、楽天グループから誕生。「オーガニック野菜など、こだわり農作物を育てる生産者を、自分で選び、スマホで栽培・収穫できる」という全く新しいサービスです。利用者が契約農家とつながりながらゲーム感覚で栽培すると、産地直送の食物が自宅まで届きます。
栽培方法は簡単で、リアルの畑を再現したバーチャルの畑をスマホでお世話するだけ。実際の畑のお世話はプロの生産者が行うので安心です。作物の成長過程は画像やコメントなどで確認できるので、作物を育てる醍醐味も十分味わえますよ。
バーチャルと言っても、こだわりの作物を育てる経験ができる上、実際に安全安心な作物を身近に感じながらおいしく食べられるのが魅力です。また、サービスを通じて食の供給と安全を守る生産者を直接支援することは、農業を支えるきっかけになるだけでなく、社会貢献や日本の食文化を守ることにもつながると信じています。
農業や農業従事者が活気づくために、いろいろな取り組みにチャレンジもしています。そして私も含め消費者が、日本の「食」を支える農業について知ることはとても大切です。農業の実態を把握し、農業に関する知識を持つことは、これからの食生活を豊かにするための良いヒントになると思います。
健康や食に安全安心を求めるのであれば、いまピンチにある農業への支援は必要不可欠です。農業や農業従事者を支えることは、私たちの食生活を支えることにもつながります。まずは気軽に農業支援と安全安心の食づくりにチャレンジしてみませんか?
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。