有機マンゴーが沖縄・宮古島でNo.1に!35年続くマンゴー農家夫妻のこだわりと想いに迫る

有機マンゴーが沖縄・宮古島でNo.1に!35年続くマンゴー農家夫妻のこだわりと想いに迫る
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最終更新日:2021.10.14 公開日:2021.06.17

沖縄県宮古島の南に浮かぶ来間島(くりまじま)で有機JAS認定のオーガニックマンゴーを育てる楽園の果実の砂川夫妻。今回は妻の砂川智子(すながわともこ)さんに、高い評価を受ける秘訣や想いを伺いました。

目次

35年前、橋もない来間島で未知の果実を

楽園の果実がある来間島(くりまじま)は、宮古島の南に橋で繋がる離島

こんにちは。楽園の果実がある来間島(くりまじま)は、宮古島の南に橋で繋がる離島です。島の周囲は10㎞ほど、人口も約160人、最近はホテルができて観光化されましたが、元々は海とジャングルと畑しかない農業の島でした。

――ご出身が来間島なのですか?

夫は来間島出身なのですが、私は滋賀県出身です。大学で写真を専攻していて、沖縄の島々を撮って回っていた際に夫に出会い、結婚しました。それが36年前。宮古島はとにかく海がきれいで癒されます。

――本当に美しいですね。ご主人は来間島で農業を?

もともと夫は葉タバコ農家の長男だったのですが、跡を継いだわけではありません。
本人は「農薬を使わない、誰かに管理されない、美味しいものを作りたい」と言っていました。葉タバコは食べられないし、当時は専売公社の管理も入って、農薬も肥料も指定されるので、合わなかったみたいです。

マンゴーの花

――食べられる美味しいものとして、マンゴーを?

ちょうど宮古島でマンゴーを作り始める人が出てきて、夫が研修にでかけて、マンゴーがやりたい!となりました。この写真はマンゴーの花です。

 私たちが栽培を試した頃は、まだまだ沖縄でのマンゴー栽培は確立されていなくて、未知の果実でした。
しかも離島である来間島には、農地に水を送る灌漑用水路(かんがいようすいろ)もなく、マンゴー栽培に必要な鉄骨のビニールハウスを建てて施設園芸をしている農家もいない状況でした。

――それで、島のビニールハウス第一号を砂川夫妻が?

そうです。でも当時は、島に橋もかかっていない上にフェリーでは資材が運べず、工事用のバージ船を借りて、宮古島から運びました。160人しか住んでいない過疎の島ですし、本当に大変でした。

オーガニック農法は夫の自然な感覚から

オーガニック農法は夫の自然な感覚から

――マンゴーは最初から有機栽培だったのですか?

夫は少年の頃から島の自然が大好きで、島にどういう鳥が飛んできて、蛇などの爬虫類、そしてこういう時期にこういう虫がついたらどうするなど、来間島の自然は本当によく知っていました。だから、子どもの頃にあった島の手つかずの自然や生態系が、大人になるにつれて畑の基盤整備事業やリゾート開発、農薬や化学肥料によって大きく変わってきていることに危機感を感じていたんです。

いつまでも自然の美しい来間島であって欲しい。
そして子供たちにも安心して食べさせられるものを作っていきたい。

そんな想いがあったので、有機農法になるべくしてなった感じで、はじめは手探りでしたが失敗を繰り返しながら今の農法に辿り着きました。有機JAS認定を受けたのは2000年です。

このハウスの中には、おびただしい蜘蛛の巣があり、野鳥がハウスに入ってきて、中に巣を作って繁殖して子育てをしたりしています。生態系を自然のままに守る栽培が、楽園の果実の特徴です。

楽園の果実のマンゴー

――野鳥に果実を食べられたりしないのですか?

野鳥が食べる虫などはたくさんハウスの中にいますので、こうして果実ひとつひとつに袋をかけてあげれば、食べられてしまうことはありません。

――1つ1つ袋をかけるとすごい数ですよね?

だいたい3万個くらいかな。完熟になると袋の中にぽとっと落ちるので、完熟まで木で育てたいから、袋は大切です。

――すごい!1本の木にどのくらい実るのですか?

幼木だと20~30個ですが、20年以上の老木だと700個成る木もあります。

楽園の果実のマンゴー

マンゴーの木は人間と同じで、幼木は管理がしやすく勢いもあるけど味は大味。10年以上は管理が大変で、白アリ対策や剪定が難しい。20年の老木はたくさん実るけれど、1年中世話をしないといけません。最年長は35年の木になります。

有機栽培は毎日が観察の連続です。30年以上やってきたのでわかりますが、有機で果樹を何年も作り続けるのは本当に難しいことで、1年目にできても同じように2年目もできるわけではありません。収穫できない期間を乗り越えて、試行錯誤をしてはじめてできることだと思います。

例えば、虫が大発生して、ハウス1つを全滅させるほど壊滅的な被害を与えることがあります。その年の収穫は絶望的です。しかし同じ虫がその後大発生するということは今までありませんでした。

もしかしたら、被害を受けたハウスの木も何らかの学習をして同じ虫の発生を自然の力で抑えているのかもしれませんが、同時にその虫の天敵も必ず増えているから不思議です。

宮古島マンゴーコンテストで1位を獲得

平成22年に宮古島市の第1回マンゴーコンテストで1位

――有機のマンゴーは味の違いを感じますか?

そうですね。えぐみがなくて、風味と酸味のバランスがよく、果肉がなめらかで、後味がすごくさっぱりしていると思います。化学肥料が混じるとえぐみが出て、甘いだけという感じになるようです。糖度だけでは美味しさは測れません。

有機のものはコンテストにはなかなか出せないのですが、平成22年に宮古島市の第1回マンゴーコンテストで1位になりました。

――すごい!宮古島で一番美味しいマンゴーということですね?

そうなりますね。その年は(笑)第一回だから皆で出そう!と気軽に参加したら、優勝しました。しっかり美味しさでもお墨付きをいただいて、嬉しかったです。

個性的!マンゴーの品種

個性的!マンゴーの品種

楽園の果実では10種類以上のマンゴーを栽培していますが、代表的なものは、赤いアーウィン種、赤くない夏小紅(なつこべに)、青くて大きなキーツの3種です。

◆アーウィン種
アップルマンゴーとも呼ばれるポピュラーな品種。果汁が多く、熟すと甘い香りが出て果皮色が真っ赤になる。糖度13度~18度。M玉からLL玉まであるが大きさで味の違いはない。
6月下旬~7月下旬に出荷するので、お中元ギフトにも人気。

◆夏小紅
2021年から沖縄で栽培され始めたばかりで、平均糖度が高いのにさっぱり感もある希少なマンゴー。丸みがあり熟すと果皮色は黄色~薄紅色になる。
7月下旬~出荷できる宮古島にしかない品種。

◆キーツ
重量1㎏前後の大きいマンゴー。表面は薄いグリーン、果肉は濃いオレンジ色。繊維質が少ないなめらかな食感と、濃厚ながらクセの無いまろやかな風味と味が特徴。成熟の見極めが大変難しく幻のマンゴーと呼ばれる。糖度18度の甘みがある。
8月20日~実の硬いうちに収穫して、1週間ほど追熟をさせる品種。

他にも、マンゴーには個性的な品種がたくさんあって、発送に向かない品種などは来間島にあるレストランでお出ししています。

農家れすとらん 楽園の果実

こちらが「農家れすとらん 楽園の果実」です。マンゴーパフェや手作りジュラ―ド、マンゴーの食べ比べもできますので、宮古島にいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

マンゴー農家のおいしい食べ方

皮に星がでているマンゴー

――美味しいマンゴーの見分け方はありますか?

皮に星がでているマンゴーです。赤い中に白い点々があれば、間違いなく18度はあるので、みんなそれを目指して作っています。ここまでくると味もにおいも満点です!

マンゴーのとんがっている方を上にして、十字に切れ込みをいれて、バナナのようにむいて、かぶりつく

――最後にマンゴーの美味しい食べ方を教えてください。

マンゴーのとんがっている方を上にして、十字に切れ込みをいれて、バナナのようにむいて、かぶりつくのが贅沢でいい!うん、これです!トロピカルカットより美味しいと思います。

あとは、届いたらすぐに冷蔵後に入れて1週間以内に食べ切るのも美味しく食べるコツです。アーウィン種だと収穫した日に送ると、配送中に追熟して、ベストタイミングでお宅に届くと思います。

豊かな自然に囲まれた小さな楽園・来間島から、有機栽培で育てた極上のマンゴーをお送りします。ぜひこの夏の思い出に、召し上がってみてください。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
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ライター情報

  • Noumusubi
  • Motty

    農むすび編集長。埼玉県深谷市出身。農家の孫。日テレAD時代、おしゃれカンケイを担当。農家さんの人となりをドラマチックに伝えたいと取材記事を書きはじめた。好きな農作物はメロン。農業は自然の恵みあってのもの。神社のお祭りで五穀豊穣を祈るのも、大切にしたいと思っている。

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