日本で初めてのオーガニックチキン!筑波山麓でのびのび育つ「つくば鶏」に込めたプライドと愛情
茨城県の筑波山麓で有機JAS認定のオーガニックチキンを育てる株式会社つくば鶏の(写真左から)細谷元成(ほそやもとなり)さん、栗原快(くらはらかい)さん、高木友弘(たかぎともひろ)さんに話を伺いました。
オーガニック鶏と他の鶏の違いは?
――自然豊かなところですね?
そうですね。筑波山の麓に広がる雄大な土地、美味しい空気と綺麗な水に恵まれた自然豊かな環境で、オーガニックの鶏を育てています。日本で初めて鶏肉の有機JAS認定を受け、現在でも会社としてオーガニック認証を鶏肉で取得しているのは当社だけになります。
――オーガニック鶏と他の鶏の違いは?
まずは屋根付きの中庭に「放牧」して平飼いしているところが違います。上の写真でいうと、真ん中の黒い屋根がついたビニールハウスのところが放牧エリアです。当社ではオーガニック以外の鶏もおりますがそこには放牧エリアはありません。
放牧エリアを内側からみるとこのような感じです。陽気がいい日は鶏たちがこの中庭に飛び出して、自由に歩き回っています。
オーガニックなので余計な資材が入り込まないように注意しながら、しっかり換気をすることをも大切なポイントです。
――栗原さんが農場長なのですね?
はい、今はオーガニックのつくば鶏を任されています。以前は、料亭で板前をしていたので、鶏肉の味にはこだわりたいですね。
――元料理人さん!美味しい鶏になるために必要なことは?
鶏舎の温度管理は大切です。ちょうど大きさとして両手で支える位になるのに、卵から孵化してひよこになってから28日ほどかかるのですが、そのあたりから体温調整ができるようになってきます。ひよこのうちは体温調整ができないので、外気温には触れさせないようにします。
――鶏の体温ってどれくらいなんですか?
人間より高くて約41℃です。そして人より暑がりなんですよ。ただ、ひよこは寒がりなので、36℃位のあたたかい環境をつくる必要があります。
――ひよこは温室育ち!かわいいでしょうね
かわいいですよ。ひよこを撫でてあげると、気持ちよさそうにするので、見ていて癒されます。
飼育のこだわりは有機飼料による自然な味
――飼育のこだわりは?
オーガニックなので、餌に添加物が使えません。素材としてはオリジナルの有機飼料で、原料のトウモロコシや大豆、麦、米はすべて、有機JAS認定を取得したものを使用しています。
――お米はコシヒカリとかの品種なのですか?
米は飼料米といって、普段我々が食べる品種とは違いますね。トウモロコシも飼料用で、固いものになります。鶏はくちばしで噛むというより、すり潰して飲み込む感じで食べるんです。
――有機の飼料だと、お肉の味は変わりますか?
素材として余計なものが含まれていないので、雑味がないと言われます。料理人さんに言われて嬉しかったのは、「クセがないので鶏肉の素材そのものの味で、料理人が狙った味が出せる」という評価をもらったことです。
ふかふかの土で鶏糞を残す特殊な環境
――地面はやわらかいのですか?
そうですね。ふわふわの土のほうが喜んでくれる傾向はありますね。鶏の習性で、砂浴びといって体に土をかけたりするので、さらさらの状態がいいんですよね。
――なるほど。ここの鶏たちは砂というより土を浴びるのですね?
うちは鶏糞を残すかたちをとっているので、出荷に近くなるほど、砂というより土に近くなっていくのですが、鶏糞を残すのは結構特殊ですね。
――鶏糞を残す理由は?
出荷をするごとに鶏舎を掃除して、良い菌を入れて発酵を促しているので、それを取り除かないようにしているんです。
有機なので薬品や消毒液が使えないため、病気が出たり悪い菌が繁殖したりしないように、良い菌で抗菌というか対策をして、環境を整えています。
――大変なことは何ですか?
鳥インフルエンザなどの病気の対策ですね。薬品は使えないので、気を使っています。普通の鶏では薬品を投与して様子をみたりできますが、オーガニックの場合はそれができません。
――人が働くうえで気を付けているのは?
体調管理はもちろんですが、周囲に石灰をまいて野鳥などからの病気を持ち込まないとか、出荷の際の車のタイヤを消毒してから入庫させるとか、工夫をしています。
嬉しいのは「ありがとう」
――出荷はどれくらいでする?
生まれてから孵化約50日、重さでいうと3.1~3.2㎏くらいで出荷します。オーガニック飼料で、無添加なので、通常の鶏よりも若干小ぶりだと思います。今日はこれから出荷にします。
――今日はどのくらい出荷するのですか?
今日は1,600羽です。
――すごい数ですね!何人でどれくらいのトラックに?
5~6人で、4トントラック1台でいけますね。力仕事になりますが、鶏は暗くなると目が見えなくなって大人しくなるので、その習性を利用すれば大丈夫です。
――鳥目ですね。いよいよ出荷は寂しくないですか?
大きくなってくれて嬉しいですよ。生き物なので言葉が通じないから、やっぱり大きくならない時期があると、なんでなんだろう?と悩んでしまうので。無事に出荷できたらホッとします。
――今までいちばん嬉しかったことは?
販売していて思うのは、アレルギーを持っているお子さんで、通常の鶏肉は反応してしまって困っている方はいるんですね。それでたまたまオーガニックを購入して、食べてみたら反応しなかったという話をお客様から聞いたときに、やっぱり生産していてよかったなと思います。
飼料に関しても有機のものを使っているので、余計ないものがない、添加物などに反応しなかったという声をもらったのは嬉しかったです。
おすすめは焼き鳥、離乳食にはミンチが好評
――おすすめの食べ方は?
素材の味を存分に堪能して欲しいので、焼き鳥にして、シンプルに塩ですね。
――焼き鳥って串に刺してですか?
はい、そのひと手間もまた特別感があっておすすめです。塩はお好みで各地のものを食べ比べるのもいいと思います。
――いろいろな商品がありますが、おすすめは?
ミンチはぜひ離乳食にお使いください。例えば、お食い初めなど、はじめてご飯を食べるときに、うどんの上にパラパラッとオーガニックの鶏肉をかけてあげるというのは、おすすめです。
赤ちゃんの小さい体に入るものですから、安全で安心して食べられる有機の素材を選んでもらう意味でも、自信をもってご提供できると思います。
以上、オーガニックの鶏肉はまだまだ希少ではありますが、その価値が少しはお伝えできたでしょうか?
つくば鶏の皆さまが日々手間暇をかけて、オーガニックチキンから品質の高さゆえのプライドはもちろん、お人柄くる愛情も感じられました。
小さいお子様の離乳食、こだわりのボディメイクやダイエットをされる方、ご高齢者の方の介護食など、大切な体づくりのためにもぜひ一度、お召し上がりになってみてください。
(写真・取材協力:朝倉 一樹、柳瀬 俊吾)
◎つくば鶏のオーガニックチキンは楽天市場でご購入いただけます。
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。