介護食とは?冷凍食品で作るソフト食・やわらか食の歯ぐきでつぶせるレシピを管理栄養士が紹介

介護食とは?冷凍食品で作るソフト食・やわらか食の歯ぐきでつぶせるレシピを管理栄養士が紹介
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最終更新日:2023.12.13 公開日:2023.12.06

食べる機能が低下してきた方に必要となる介護食。楽天ファームの冷凍食品を使って、介護食の準備の負担を少しでも減らしてみませんか?今回は歯ぐきでつぶして食べられる、やわらか食のレシピ4つを管理栄養士が紹介します。

目次

介護食とは?

介護食とは?

介護食とは、かむ力や飲み込む力が低下した方に向けた、食べやすい食事を指します。やわらかく調理したり、とろみをつけたりするなど、調理法を工夫して作られる食事です。

年齢を重ねて体の機能が低下したり、病気が原因となったりすると、食べる機能は低下しやすくなります。普通の食事では食べづらいため、介護食といわれるような食事が必要となってきます。

食べづらい食事では、主に下記の2つの影響を与える恐れがあるため注意が必要です。
・食事量の低下…栄養不足から筋肉量が減って活動量が低下したり、免疫機能が低下したりする
・誤嚥(ごえん)…食べ物が誤って気管に入り、肺炎や窒息の原因となることがある

このような影響を避けて元気に過ごすために、また毎日の食事をおいしく楽しむためにも、食事の工夫が大切なのです。

介護食品の4区分「ユニバーサルデザインフード® 」

介護食品の4区分「ユニバーサルデザインフード® 」

介護食の基準はさまざまなものがありますが、その中の一つに「ユニバーサルデザインフード®」があります。これは日本介護食品協議会により制定されたもので、かたさや粘度に応じて4段階に区分されています。
参照:日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフードとは」

■容易にかめる
かむ力の目安:かたいものや大きいものはやや食べづらい
飲み込む力の目安:普通に飲み込める
・ごはん:ごはん~やわらかごはん(かたさの目安)
・たまご:厚焼き卵
・肉じゃが:やわらか肉じゃが

■歯ぐきでつぶせる
かむ力の目安:かたいものや大きいものは食べづらい
飲み込む力の目安:ものによっては飲み込みづらいことがある
・ごはん:やわらかごはん~全がゆ(かたさの目安)
・たまご:だし巻き卵
・肉じゃが:具材小さめやわらか肉じゃが

■舌でつぶせる
かむ力の目安:細かくてやわらかければ食べられる
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらいことがある
・ごはん:全がゆ(かたさの目安)
・たまご:スクランブルエッグ
・肉じゃが:具材小さめさらにやわらか肉じゃが

■かまなくてよい
かむ力の目安:固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらい
・ごはん:ペーストがゆ(かたさの目安)
・たまご:やわらかい茶わん蒸し(具なし)
・肉じゃが:ペースト肉じゃが

これらの区分に適合する商品には、ユニバーサルデザインフード®のロゴマークと区分が記載されています。介護食を選ぶ際の指針となるため、ぜひチェックしてみてください。

なお、かむことや飲み込むことに重度な障がいがある、または疑われる場合は医療機関への相談が必要です。

今回紹介するレシピは、ソフト食・やわらか食ともいわれる、歯ぐきでつぶして食べられるレシピです。ソフト食・やわらか食とは、一般の食事に近い形態で、家庭でも実践しやすい介護食です。召し上がる方のかむ力や飲み込む力にあわせて試してみてください。

冷凍食品は手抜きではない!オーガニックならさらに安心

冷凍食品のススメ。手抜きではない!

介護食を手作りする際は、やわらかさや粘度に配慮する必要があり、準備を大変に感じる方も多いと思います。ときには市販のレトルト食品や介護食弁当を利用したり、冷凍食品を使ったりすることも、準備の負担を減らすために大切です。

中でも野菜や果物の冷凍食品は、カットや下茹でといった下処理が済んでいるため、調理の手間をグッと減らせます。また急速冷凍をすることで栄養素の損失も最小限にとどめられるといわれているため※、野菜や果物から摂りたい栄養素をしっかり補給できます。

※参考:農林水産省 そうだったのか!冷凍食品Q&A

冷凍食品のススメ。手抜きではない!

楽天ファームでも、介護食にぴったりの冷凍食品はもちろん、常温の食品もたくさんあります。今回のレシピに使用するのはこちらの5品です。手軽に使えるだけでなく、オーガニックで丁寧に作られているので、味の面で満足できるのもうれしいポイントです。

原則として農薬・化学肥料に頼らないオーガニック農業は、安心して食べられるのはもちろん、農地の河川に流れ込む有害物質の量を減らし海洋汚染を軽減するなど、持続可能な地球環境にやさしいサステナビリティに、食生活を通して貢献できるのもいいですね。

それでは楽天ファームの食品を使って、主食・主菜・副菜・デザートの簡単栄養満点レシピを紹介します!

主食:ほうれん草のおかか味噌がゆのやわらか食レシピ

主食:ほうれん草のおかか味噌がゆのやわらか食レシピ

まず「100%国産オーガニック冷凍ほうれん草」を使った、ほうれん草のおかか味噌がゆのレシピを紹介します。

おかゆは食べる機能が低下した方でも食べやすい主食ですが、毎食となると飽きてしまうことも。ほうれん草を使って彩りをよくして、かつお節とみその風味をつけて食欲を高められるよう工夫しています。

今回使うのは楽天ファームの「100%国産オーガニック冷凍ほうれん草」です。楽天ファームの冷凍ほうれん草は、味の濃さが特長。ほうれん草のえぐみや苦みなどは感じられず、濃厚な味わいと甘さを感じられます。農薬、化学肥料は原則不使用で栽培されているのもうれしいですね。

<材料(2人分)>
ご飯・・・240g
冷凍ほうれん草・・・40g
だし汁・・・500ml
みそ・・・小さじ2
削り節・・・1パック(約3g)

主食:ほうれん草のおかかみそがゆのやわらか食レシピ

<作り方>
① 冷凍ほうれん草は耐熱皿に入れて電子レンジ(600W)で50秒~1分ほど加熱して解凍し、細かく刻む。
② 鍋にだし汁を入れて中火にかけて沸かし、ご飯を加えてよくほぐす。再度煮立ったら弱火にし、ときどき混ぜながら約10分、食べやすいやわらかさになるまで加熱する。ほうれん草、みそ、削り節を加えてよく混ぜ、ひと煮立ちさせる。

<ポイント>
米粒が残るように仕上げていますが、もう少しやわらかくしたい場合はだし汁を足し、さらに5~10分ほど煮込んでください。

残りは冷凍保存も可能です。素早く冷ましてからふた付きの密閉容器やジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。食べる際は、鍋や電子レンジを使ってしっかりと再加熱をしてください。保存期間の目安は2~3週間です。

主菜:鶏ひき肉で作るふんわりハンバーグのやわらか食レシピ

主菜:鶏ひき肉で作るふんわりハンバーグのやわらか食レシピ

続いては「茨城県産オーガニックチキン(ミンチ)」を使った鶏ひき肉で作るふんわりハンバーグのレシピを紹介します。

通常のハンバーグもやわらかく食べやすいメニューではありますが、さらにやわらかく食べやすくなるよう、絹豆腐、マヨネーズなどのつなぎを使って工夫しています。

今回使うのは、楽天ファームの「茨城県産オーガニックチキン(ミンチ)」はです。有機飼料を食べてのびのびと育った鶏を使ったオーガニックチキンです。臭みなどもなく、鶏肉のうまみを感じられ、シンプルな味付けでもおいしく食べられるひき肉です。
バラ凍結なので使いたい分だけ使いやすいのがうれしいポイント。介護食ではひき肉を使うことが多いため、ストックしておくと便利です。

<材料(2人分・4個分)>
冷凍鶏ひき肉・・・120g
絹豆腐・・・120g
塩・・・小さじ1/4
片栗粉・・・大さじ2
パン粉・・・大さじ1
マヨネーズ・・・大さじ1
こしょう・・・少々
サラダ油・・・適量
乾燥パセリ・・・少々

<ソース>
ケチャップ・・・大さじ2
ウスターソース・・・大さじ1
砂糖・・・小さじ1/2

主菜:鶏ひき肉で作るふんわりハンバーグのやわらか食レシピ

<作り方>
下準備)鶏ひき肉は使う分だけ冷蔵庫に移して解凍しておく。

① ボウルに解凍した鶏ひき肉と塩を入れ、粘り気が出るまでよく手でこねる。
② ①に豆腐を手でくずしながら加えてなめらかになるまで手でよく混ぜ、片栗粉、パン粉、マヨネーズ、こしょうを加えてさらによく混ぜる。
③ ②を4等分にし、小判形に丸めて中央をくぼませる。フライパンにサラダ油を入れて弱火で熱し、ハンバーグを焼く。ふたをして片面4~5分焼き、上下を返す。再びふたをして、さらに4~5分、中に火が通るまで焼き、器に取り出す。
④ ③のフライパンにソース用の調味料を入れて火にかけ、ふつふつとしたらハンバーグの上にかける。乾燥パセリを散らす。

<ポイント>
先に鶏ひき肉と塩をよく混ぜることで、なめらかな食感となります。また焼く際は、弱火でじっくり蒸し焼きにするのがポイントです。火力が強いと焼き色がつきすぎてしまい、表面がかたくなってしまいます。

やわらかいタネのため、成形するときはサラダ油を手につけるようにすると、やりやすくなります。また和風のソースであんかけにするなど、アレンジも可能です。

残りは冷凍保存も可能です。素早く冷ましてからラップに包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。食べる際は、電子レンジを使ってしっかりと再加熱をしてください。保存期間の目安は2~3週間です。

副菜:かぼちゃとくるみのなめらかサラダのやわらか食レシピ

副菜:かぼちゃとくるみのなめらかサラダのやわらか食レシピ

続いて「100%国産オーガニック冷凍栗かぼちゃ」「オーガニック生くるみ」を使った、かぼちゃとくるみのなめらかサラダのレシピを紹介します。

やわらかくなめらかになりやすいかぼちゃは、介護食で使いやすい食材です。マヨネーズとヨーグルトを使うことで、さらになめらかになるのはもちろん、ヨーグルトからカルシウムも補給できます。

またくるみのペーストを混ぜ込むので、風味がよくなるだけでなく、カロリーもプラスできるので低栄養予防にも役立ちます。

今回使うのは、楽天ファームの「100%国産オーガニック冷凍栗かぼちゃ」と「オーガニック生くるみ」です。冷凍栗かぼちゃは、甘みが強くてうまみもたっぷりなのが特長です。使いたい分だけ使いやすいので、介護食だけでなく普段の食事作りにも活躍してくれます。生くるみは香りがとてもよく、くるみ本来の味わいを楽しめます。ペースト状にして介護食に活用してみましょう。

<材料(2人分)>
冷凍かぼちゃ・・・160g
生くるみ・・・20g
ヨーグルト(無糖)・・・大さじ1.5
マヨネーズ・・・大さじ1.5
塩・・・少々
こしょう・・・少々

副菜:かぼちゃとくるみのなめらかサラダのやわらか食レシピ

<作り方>
① 冷凍かぼちゃは耐熱皿に並べ、水大さじ1(分量外)をふりかけて、ラップをして電子レンジ(600W)で2分30秒~2分50秒加熱する。皮を取り、なめらかになるまでマッシャーなどを使ってつぶす。
② フードプロセッサー(またはミキサー)にくるみ、ヨーグルト、マヨネーズを入れ、なめらかになるまで撹拌する。くるみの粒が残るようであれば、ザルなどを使って漉す。
③ ボウルに①、②を入れてよく混ぜる。

<ポイント>
くるみの粒が残ってしまうと食べづらいため、粒が残っていないか確認しましょう。粒が残っているようであればザルなどを使って漉して取り除いてください。くるみをミキサーにかけるのが大変な場合は、市販のピーナッツバターでも代用できます。

かぼちゃの水分量によって仕上がりのかたさが変わるため、ヨーグルトかマヨネーズを足して食べやすいやわらかさになるよう調整しましょう。

保存する場合は冷蔵庫に入れ、翌日には食べ切るようにしてください。または、きゅうりやハムなどを加えて、家族みんなで楽しむのもおすすめです。

デザート:ブルーベリーのミルクプリンのやわらか食レシピ

デザート:ブルーベリーのミルクプリンのやわらか食レシピ

最後は「冷凍オーガニックワイルドブルーベリー」を使った、ブルーベリーのミルクプリンのレシピです。

食が細くなった方でも、甘いデザートなら食べやすい方もいらっしゃいます。栄養補給できる手作りデザートは、食べる機能が低下している方はもちろん、家族全員で楽しめます。

ブルーベリーからアントシアニンやビタミンC、食物繊維を補給でき、また牛乳のカルシウムやタンパク質も補給できる栄養満点レシピです。ミキサーにかけてゼラチンとあわせるだけで簡単に作れるため、ぜひお試しください。

レシピに使っているのは、楽天ファームの「冷凍オーガニックワイルドブルーベリー」です。ワイルドブルーベリーとは、2年に1度しか収穫されない希少なブルーベリーです。通常のブルーベリーより色が濃く、上品な甘さと適度な酸味があります。渋みを感じず食べやすいため、高齢の方でも食べやすい食材です。

<材料(2個分)>
冷凍ブルーベリー・・・100g
牛乳・・・100ml
はちみつ・・・大さじ1~2
水・・・50ml
粉ゼラチン・・・5g

デザート:ブルーベリーのミルクプリンのやわらか食レシピ

<作り方>
下準備)冷凍ブルーベリーは冷蔵庫に入れて解凍する。または電子レンジ(200W)で50秒~1分加熱して解凍する。

① 深さのある耐熱容器に分量の水を入れ、粉ゼラチンをふり入れて5分ほど置いてふやかす。
② ミキサーにブルーベリー、牛乳、はちみつを入れ、なめらかになるまで撹拌する。
③ ①を電子レンジ(600W)で10~20秒加熱してよく混ぜ、ゼラチンを溶かす。②に混ぜ入れて型に流し、冷蔵庫で冷やし固める。

<ポイント>
トッピングのブルーベリーはそのまま載せていますが、実際に食べる際はミキサーでペースト状にしたり、ブルーベリージャムを載せたりすると食べやすくなります。

はちみつは大さじ1だと甘さ控えめ、大さじ2だとしっかりとした甘さになります。お好みで調節してください。

デザート:ブルーベリーのミルクプリンのやわらか食レシピ

いかがでしたか?
今回は「介護食」をテーマにし、介護食の準備の負担を少しでも減らす冷凍食品を使って、歯ぐきでつぶして食べられる、やわらか食のレシピ4つを紹介しました。

冷凍の野菜や果物は、健常者であっても、毎日の食事に大活躍してくれ、栄養補給にもぴったりです。また離乳食など、小さなお子様のいるご家庭でも重宝します。生の野菜や果物に比べると保存期間も長いため、ぜひストックして活用してみてくださいね。

◎今回ご紹介した冷凍野菜は、お得なバラエティセットでもお楽しみいただけます。いろいろなお料理にご活用ください。

かんたん離乳食
  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :レシピ

ライター情報

  • Noumusubi
  • 広田 千尋

    管理栄養士。保育園・保健センター・病院で幅広い年代の健康づくりをサポートし、2020年より独立。栄養や食に関するコラム執筆、監修、健康に配慮したレシピ作成などを行う。プライベートでは1児の母で、毎日の食事作りに奮闘中。身近にある材料でとにかく簡単に作れるレシピの提案を得意とする。

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