やまぐちサツマイモチャレンジ Farm to Table Vol.53
楽天農業のオーガニック野菜は、農場を感じる季節のお便り「Farm to Table」を添えてお届けしています。地球にもあなたにもやさしい野菜を。今回は2023年3月1日号の一部をご紹介します。
畑だより
山口から挑む
本州最西端にある山口県で広大な耕作放棄地を切り開き、去年から山口農場はかつてない規模の「サツマイモチャレンジ」に挑んでいます。楽天農業における一番大規模な栽培を目標にし、栽培面積は今年2月の時点で12ヘクタールを超えています(東京ドームのおよそ3個分…!)。社員3名、独立研修生6名の体制を取り、日本海に近い潮風が吹く山口北西部で栽培に取り組みました。
美味しいサツマイモにするために
収穫して熟成させたサツマイモを、一番おいしくお届けする形を模索する新商品開発テストは、2月上旬に長門市の加工工場で3日に渡り行われました。
まずは焼き芋。収穫日や場所、貯蔵方法など様々な条件で分けて同じ温度で焼き上がった芋を試食し、味や食感の違いをしっかりと確かめます。同じく山口で栽培された同じ品種のサツマイモでも、条件が一つ異なると味はだいぶ違ってくるのです。次に、チーム一行が美味しいと認定する芋を選定し、大、中、小に仕分けします。サイズごとに設定された温度と時間で焼いて食べ比べます。焼きすぎない程度で一番甘味を引き出し、一番ねっとりした食感に導く温度帯と時間を見つけ出すため、細かく実験を繰り返しました。
焼き芋のみならず、形が不揃いな芋をフードロスにさせずに活用するように、ペーストなど他の商品も鋭意試作しています。世に出るまで乞うご期待ください!
前人未踏の景色へ
今年の山口農場はさらに急速な規模拡大を図っており、耕作面積は現在の3倍の36ヘクタールに、サツマイモの収穫も去年の10倍以上の720トンを目指しています。つばめが日本にやってくる清明の頃に、新しい仲間たちを迎え入れ、さらにレベルアップしたチャレンジに向かいます。
山口農場メンバーに聞いてみた!
Q1.山口農場で一番挫折を味わったことは?
Q2.これからの山口農場に何か展望ありますか?
高橋 幹太(たかはし かんた)社歴4年、楽天農業で一番若い農場長
A1.昨年は獣害に悩まされました。今までの会社での最大の被害で、サツマイモの3分の2程が獣害に遭いました…ここまで被害に遭うと思っていませんでしたので、改めて自然界の恐ろしさを体感しました。
A2.全拠点で最大の面積となる農場での大規模栽培が開始します。有機農業での大規模化を体現出来るようにメンバーで協力していきたいと思います。また、独立希望者も続々と入社しています。(今でも全拠点で一番多いです。)山口農場での栽培を通して、独立を見据えられるような栽培管理、農場経営を経験してもらい、少しでも独立の不安が払拭できるようにしていきたいです。
中崎 志保(なかざき しほ)2022年10月に静岡農場から山口農場に配属
A1.獣害の被害でサツマイモの収穫が少なすぎて、収穫作業自体をやらない畑があったり、収穫して出荷まで漕ぎつけたのに保管方法が不適切で全部処分になってしまったりした時は悲しくなりました。
A2.自分の担当圃場のチェックをしっかり行って、些細な変化にも気づけるようになりたいです!山口農場メンバーとチームプレーで昨年よりも良い結果を残すことが目標です。
植野 高行(うえの たかゆき)2022年8月から独立研修生として山口農場に配属
A1.農業未経験の上に超絶繁忙期に入社をした私は、入社早々「捕殺」という作業をしていました。真夏の炎天下の元、害虫を捕まえては殺し、捕まえては殺しと繰り返す事3時間。元野球部、自称骨惜しみをしない私は、ひたすら任務遂行をした結果、翌日軽い熱中症になり、お休みを頂く事になっちゃいました…
A2.今年から有機JASの紅はるかとブロッコリーの栽培を始めてますので、多くの方にお届けできるよう、日々トライアンドエラーを繰り返しレベルアップしていきます!さぁ、今日も捕殺に出かけますか!
契約農家「BUTTOBI BERRY ORGANIC」徳島県徳島市
徳島県徳島市
BUTTOBI BERRY ORGANIC
至福の味わい、希少な有機JASいちご
困難を極める挑戦
いちごの栽培は「一難去ってすぐ二難」と言われるくらいに虫と病気に弱い作物のため、野菜の中で農薬散布回数が多いとも言われています。いちごを有機栽培する農家が少ない中、田渕善昭(たぶちよしあき)さんは「農業するなら栽培が難しいものに挑戦したい」というぶっ飛んだ熱意を持ち、苗作りから挑み始めました。
自然界のサイクルをしっかりと理解した上で微生物の力を借り、病害虫になるべく負けない丈夫な体作りを支えてあげることで、いちごは立派な実がなり、2022年1月に有機JAS認証を取得しました。
栽培一年目で栄養価最優秀賞
2021年から栽培をスタートした初年度のいちごにも関わらず、「オーガニックエコフェスタ2022」の栄養価コンテストで、いちご部門の最優秀賞を受賞しました。糖度、抗酸化力、ビタミンC、硝酸イオン、食味試験の5項目のうち、検査機関の保有する平均データと比較して、アンチエイジング効果が期待される抗酸化力が約1.5倍高く、えぐみの原因の硝酸イオンにおいては約6割と低い傾向がみられるとのことでした。
食味試験でも、「フルーティーで芳醇ないちごの香りが口に広がる」や「濃厚な旨味を感じ、同時に酸味とのバランスが大変よい」など、非常に高い評価をいただいています。
有機栽培による安全安心なだけではなくて、見た目まできらきらと輝く宝石のようで、濃厚なコクがある至福の味わい……まさに名前通りの「ぶっ飛び」いちごです。
ここだけ 農家さんの裏話
市販の納豆が有機肥料に!?
病害虫予防のために、田渕さんはなんと、「納豆」を使っています。市販の納豆を研究して、数ある納豆の中からコレぞ!という納豆を選定してきました。その納豆にドライイーストや乳酸菌飲料を掛け合わせて培養して、自家特製の有機肥料でいちごを育ています。
STAFF's PICKS「心も体も温かくする温野菜」
恥ずかしながら、冷凍野菜デビューしたのはつい最近でした。
冷凍餃子や冷凍うどんは結構使っていますが、自分の中で「新鮮な野菜を食べたい」という謎ルールがずっとあり、できるだけ避けていました。
ただ、料理する気が起きないけど栄養をちゃんと摂りたい、こういうジレンマに陥る日々が続いた末、試してみることにしました。
冷凍庫から取り出して袋のままレンジに入れるという、ほとんど手間のかからない調理でしたが、ブロッコリーの緑とカリフラワーの白、にんじんのオレンジが、すごく色鮮やかで思わず口角をちょっぴり上げてしまいました。見た目だけではなく、野菜の旨味もしっかりと感じられ、こんなに時短で3種類の有機野菜を一度に食べられると思うと、何だか心も体もふんわりとポカポカした気分になりました。
少し余裕があるときは、冷凍温野菜を使ったカレーやシチューも作ってみたいです。
次回はどんな人からのメッセージがあなたのもとに届くのか、お楽しみに!
★最新号はリーフレットとして、商品をご購入の方に同梱させていただいております。商品は以下のボタンよりご覧ください。
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。