オーガニックライフのはじめかた:オーガニック講座 Vol.1

オーガニックライフのはじめかた:オーガニック講座 Vol.1
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2019.11.04

未来に続く社会づくりに向けて、オーガニックなライフスタイル推進に取り組んでいる小原壮太郎(おばらそうたろう)がお届けするオーガニック講座。第一回は「オーガニックライフのはじめかた」についてお話しします。

目次

オーガニックライフとは?

みなさんはオーガニックライフと聞いて、どんなイメージを描きますか?
そもそもオーガニックってなんだろう?正確な意味はわからない!という方も少なくないと思います。
日本ではオーガニックといえば、化学合成された農薬や肥料を使わない有機農業そのものを意味することが多くありますが、欧米ではもっと広義な意味で、自然と共に生きる衣・食・住などの暮らし方、つまりライフスタイル全般もふくめて使用されていることが多い様に感じます。
近年ではSDGs(サステナブル・デベロップメント・ゴールズ=持続可能な開発目標)などの認知も広がり、「自然と共に生きる持続可能な生き方・暮らし方」が世界的にもより重視されつつありますが、欧米で言うところのオーガニックはまさにこの「生き方・暮らし方」をも含めた農や食の在り方について示していることが多いのです。

オーガニックな農産物と言えば、米・麦などの穀類や野菜類、牛乳や肉類に加えて綿花や麻などの衣類の素材なども含まれます。最近では花卉(かき)などもオーガニックで食べられるエディブルフラワーが増えてきましたね。ライフスタイル系でもオーガニックコットンなどの天然素材を謳うファッションやオーガニックなカフェやレストラン、そしてナチュラル&オーガニックコスメもだいぶ充実してきました。

と少し列挙してみるだけでも、食だけでなくファッション・インテリアなど、私たちの暮らしのさまざまなところにオーガニックが広がっていることがわかります。

オーガニックライフをはじめるには?

では、そんな暮らし全般に広がるオーガニックをどう取り入れ、オーガニックライフを始めるか、私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。

第一に、あなたのライフスタイルにおいて、衣・食・住どこが一番大切かを考えてみてください。
食いしん坊のあなたは、まっさきに「食」と答えるでしょう。オシャレや美容に興味がある方は「衣」。住まいやインテリア、暮らしの空間・世界観を大切に考えているあなたは「住」ですね。そんな自分が大切にする領域の中で、オーガニックを取り入れてみることをオススメします。

「食」を大切にするあなたは、生野菜

まず「食」を大切に考えるあなたにオススメしたいのは、生野菜です。特にレタスやほうれん草などの葉物野菜や、人参・大根などを食べてみていただきたいです。
私はオーガニックな人参でつくったジュースを飲んだ瞬間、衝撃を受けました。「人参ってこんなに甘くて、おいしいのか!」と。葉物野菜もエグみや苦味が少なく、本当に自然の葉物の甘みが感じられて「ドレッシングがなくてもサラダってこんなに美味しいんだ!」と感動したことを今でもハッキリ覚えています。

あと個人的にオススメしたいのは、玄米です。白米とは違う風味や、モチっとした食感もあり美味しいですし、しっかり消化・吸収するためによく噛む様にもなり、結果幼少期より「おなかの弱い少年」として便秘と下痢を繰り返してきた私が、玄米を食べ始めた直後から便秘知らずの人生を謳歌しています。

「衣」を大切にするあなたは、バスタオルや基礎化粧品

次にオシャレや美容に興味・関心がある「衣」を選択したあなたにオススメしたいのは、上質なオーガニックコットンのTシャツや化粧水・乳液などの基礎化粧品です。

オーガニックコットンのTシャツは、肌触りが良く着心地が良いことが特徴です。これは素材の違いだけでなく、製造過程の処理や縫製、仕上げにもこだわってつくられていることもあると思いますが、肌への刺激が少ないと感じます。なので、寝る時のTシャツは進んでオーガニックコットンのTシャツを選んでいます。

オーガニックな基礎化粧品は敏感肌の方や、実は毎日ひげを剃る男性にこそオススメです。ひげそり後に化粧水&乳液でケアをすると肌がカサつかずモチっとした弾力を維持できていいと思うのですが、特にオーガニックコスメは、香りも天然系のものが多いので男性やお子さんも使いやすく、家族みんなで使えるのも嬉しいです。

「住」を大切にするあなたは、住宅リフォームや寝具

最後に「住」を選んだあなたにオススメなのは、天然素材の住宅やリフォーム、そしてオーガニックな素材の寝具・タオルです。

天然素材かつ、化学物質をほとんど使わない住宅にお住まいの方にお招きいただき、お食事などをいただいたことがあるのですが、手触りだけでなく空気感も心地よくて本当に住みたくなってしまいました。また天然素材のお宅では、最近良く見かける様になった薪ストーブがあり、これまた心地良いんです!地元の間伐材(かんばつざい)や枝を燃やした炎を眺めながら、ゆっくりと過ごす時やじんわりと広がる暖かさは、カラダもココロも癒やしてくれます。そんな時間を過ごした暁に、オーガニックな素材の寝具で眠る心地よさと言ったら、本当に極上の時間です。
もちろん、オーガニックな寝具やタオルを買い揃えて、自宅を最高の癒し空間に生まれ変わらせてしまうというのもよいですが、まずはオーガニックなライフスタイルを体験できるお宿に宿泊して、五感で体験してみてはいかがでしょう。
新潟県南魚沼市にある里山十帖という宿や、長野県北安曇郡にある国内初のBioホテル認証を獲得した八寿恵荘などに宿泊すると、オーガニックなタオルの心地よさや、寝具に包まれて眠る幸福感を存分に味わせてくれます。

バスタオルにはずっとこだわりを持っていて、五つ星ホテルで使用されている様な最上級の厚手のバスタオルを使っていたのですが、7年ほど前にオーガニック展示会でオーガニックコットンの先駆者として有名なアバンティというメーカーさんのバスタオルが割引になっていたので買ってみたんですね。「肌触りは気持ち良さそうだけど、少し薄手かな〜」なんて思いつつ、いざ使ってみると!
「な、なんじゃこりゃ〜!」と松田優作ばりに声を荒げてしまうほどの心地よさ。織りの違いもあるのかもしれませんが、とにかく今まで使っていたどんな高級バスタオルよりも肌触りが良く、気持ち良かったのです。先日、7年間使い続けた末についに破けてしまい天寿を全うしたのですが(笑)、最後の最後まで心地よい肌触りをもたらしてくれました。

オーガニックタウン埼玉県小川町が生む“提携”の絆

最後に私からみなさんに強くオススメしたい”コト“があります。

現代は、モノ消費ではなくコト消費の時代などとも言われます。人の思いや背景にあるストーリーを感じたり味わったりすること、かけがえのない貴重な経験を自ら実体感することなど、ただ“消費する”だけではなく、自分の血となり骨となる“コト”に対して貴重なお金を使うという時代になった、ということを表した言葉ですが、オーガニックライフにおいてこそ、まさにコト消費を実践する価値がある、と確信しています。

私が強くオススメする“コト”、それは『提携』です。1970年からはじまったもので、一言でいうと生産者さんと消費者が支え合う絆を結び合い、支え合う、という関係づくりのことをいいます。この仕組みはアメリカに渡り、当初は『TEIKEI』という言葉で広がって行きましたが、ある時点で『CSA〜Community Supported Agriculture〜』という呼び方となり、日本に戻ってきました。Rakuten Ragri(ラグリ)の契約栽培はこのCSAモデルを採用しています。

『提携』=『CSA』についてカンタンに説明しますと、消費者がある農家さんとつながって仲良くなり、その農家さんの農法・農産物に惚れ込んだとします。そして普通なら「野菜を定期的に買います」ということになりそうですが、提携は少し考え方が違います。
消費者はその農家さんを支えたいという想いから毎月2〜3万円を農家さんへの支援金としてお支払いします。一方、その農家さんは「俺を支えてくれる方々の命の糧を本気で守るぞ!」という気概を持って、真剣に田畑に向き合い、生み出した極上の農産物を提携先の消費者さんにお届けします。
世界的なオーガニックタウンと言われる埼玉県の小川町では、金子美登(かねこ よしのり)さんが、1970年代から提携をはじめられて、現在でも30〜40年来の提携パートナーの方々が多くいらっしゃると伺いました。普通の商売で30〜40年来の顧客を得ることはとても難しいことだと思います。でも金子さんをはじめ、小川町の有機農家さんたちは、実際にこういった長い年月での絆を結んでいるのですから驚きです。
ただ「お金を払うから食べ物をくれ!」では、お互いの気遣いや思いやりは生まれにくいものです。
それが金子さんたちが育んできた“提携“においては、親戚づきあいに近いくらいの絆が生まれ、お互いに思いやりの心を持ちながら命の支え合いをされています。現代の欲望や便利さを追求した売買関係ではない、血の通った関係を築くということ。これを実践するためには農家さんを訪ねて、人間対人間の関係を構築し、年月をかけて信頼関係を築いていく必要があります。そしてそれを現代ではインターネット技術を駆使して、よりカンタンに、より楽しくできる時代になってきたのだと実感しています。

ぜひみなさんも、絆を結びたくなるような農家さんを探して、“提携“の絆を結んでみてはいかがでしょうか?
”消費“以上のなにかを感じ、得ていただけると思います。

編集後記

地球温暖化による気候変動で、台風や大雨などによる災害が多発し、被害も甚大になる中で、「都市生活者と地域の生産者がつながること」は、都市と地域相互にとってもサバイバル力を高めることになり、国家的な食料安全保障にもつながります。私自身、この2年の間で農業を営む大切な友人たちが大きな被害を受けており、気候変動はいよいよ深刻な状況に直面していると痛感しています。
地球温暖化による気候変動を抑えるためにも、ぜひみんなでオーガニックで持続可能な、未来に続く社会を創っていきましょう!

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。

ライター情報

  • Noumusubi
  • 小原壮太郎

    一般社団法人the Organic 代表理事。10年間の広告会社勤務を経て、2007年アントニオ猪木氏のプロレス団体代表に就任。同氏の北朝鮮訪問同行を機に農業問題に気づく。2013年に四角大輔と共にthe Organic設立。2016年 環境省森里川海アンバサダー、2018年 全国有機農業推進協議会 理事に就任。