アップルバナナに魅了された元船長!大阪から沖縄へ移住し就農!ずんぐりもっちり濃厚バナナの紹介
沖縄県でアップルバナナを栽培するマルエスファームの荘司幸一郎(しょうじこういちろう)さん。「アップルバナナを日本全国に届けたい」という熱い想いと濃厚絶品バナナの魅力などをたっぷり伺いました。
濃厚な甘みとモチモチ食感がたまらない「アップルバナナ」
――「アップルバナナ」ってかわいらしいカタチですね?
はい、僕の手のひらよりも小さいですね。アップルバナナは通常は15~17cmほどですので、かわいらしい大きさです。小ぶりで1本ペロリと食べきれます。
――りんごみたいに丸っこいので「アップルバナナ」なんですか?
いや、香りがりんごのような爽やかな香りなので、アップルバナナと言われています。
アップルバナナは皮を剥いた時の芳醇な爽やかな香りが特徴で、一口食べるとモチモチ食感と甘みと酸度が非常にバランス良く、今まで食べたことのない味に出会えます。やみつきになる事間違いなしの美味しさですよ。
――スーパーでよくみかける品種との違いは?
日本でよく売っているのはキャベンディッシュ種というものです。
主にフィリピンやエクアドルで栽培されていますが、なめらかでさっぱりとした味わいが特徴の品種です。
アップルバナナは濃厚な甘みともっちりとした食感が自慢の品種になります。
そしてマルエスファームのアップルバナナは高糖度で抜群の美味しさですよ。株式会社メディカル青果物研究所にバナナの分析を依頼したのですが、糖度27.6度を記録しました。
甘みをしっかり感じられますが、沖縄で栽培されるフルーツは酸味があるのも特徴なんです。ですので甘すぎずすっきりとした味を楽しんでいただけると思います。
アップルバナナは劣化と酸化が遅いのでスーパーでよく販売されているキャベンディッシュ種よりも保存が効くのも嬉しいですね。
――濃厚な甘みとモチモチ食感が特徴なんですね。
はい。一度食べていただいたら違いに気づいていただけると思います。
ご購入いただいたお客様からも「食感がモチモチしていて、甘くて美味しい」、「バナナ嫌いの子供が食べる事が出来ました」、「もう普通のバナナには戻れない」などたくさん嬉しいお声いただいております。
やっぱりお取り寄せでご購入いただいた方や直接農園に来ていただいた方からこういった声をいただけることがとても嬉しいですね。
大阪から沖縄へ!2度も移住し就農
――どうして農家に?
農家になる前は夢だった空港関係の仕事をしていたのですが、この先ずっと働くのは違うと思ったタイミングがありました。
昔から自然が好きだったので、自然の中で働きたく、今まで行ったことがない場所で住んでみようと思い、沖縄の離島「阿嘉島(あかじま)」へ移住しました。
阿嘉島ではダイビングの船長として仕事をしながら、休みの日は素潜りするなどして、生きるためのスキルを習得して人生観が変わりましたね。
その後、島で出会った嫁さんと結婚し、僕の地元の大阪で働くことにしたんです。大阪では自分の家をリフォームしたいという夢があったので、大工として働き始めました。
しかし喘息を発症してしまい、環境を変えるべく、再び沖縄県へ移住することに決めました。
――農家に転身するきっかけは?
2度目の沖縄では、まず大工の仕事をしていました。ですが移住した名護市は周りに畑や豊かな自然がある環境でしたので、自然の中で働きたいとの思いが強くなりました。
1度目の沖縄移住では海の仕事を経験したので、今度は陸の農家をしてみたいと思い、農業生産法人に就職し、1年後に独立しました。
2017年に就農し、2023年の現在は7年目になります。
アップルバナナとの出会い
――なぜアップルバナナを?
独立して1年目は野菜を中心に栽培していたのですが、2年目に知り合いでバナナの研究をしている方と出会いました。その方に「これからアップルバナナは沖縄の特産品になるのではないか」とアップルバナナを進められ、苗を購入したのがはじまりでした。まだ僕もどんな作物を栽培しようか模索しているところでしたので、1度挑戦してみようを思いアップルバナナの栽培を始めました。
果樹栽培は収穫するまでに時間がかかると思いますが、アップルバナナは比較的短いというのも決め手になりました。
定植する時期によって異なるのですが、花が咲くまで1年。花が咲いてから夏でしたら3か月で収穫、冬でしたら6か月ほどで収穫できますね。
――バナナは果物の中では収穫までの期間が短いのですね?
そうですね。多くの果物は苗を定植してから収穫までの栽培期間が長いですが、バナナは栽培期間が短いので、挑戦しやすい作物かもしれません。
一般的に野菜と果物の違いは、植物の生育状態によって分けられ、野菜は一年草のもの、果物は多年草のものとされています。
一年草とは、発芽してから花が咲くまでにかかる期間が1年以内のもので、多年草は多年にわたって生育し続ける植物です。バナナは多年草に分類されますが、一年草にも見える不思議な作物なんです。
木のように3~5mほどの高さまで育ちますが、バナナの太い幹に見えるところは木ではなく筒状の葉柄が束になった「草」で、1年ほどで枯れてしまいます。
収穫が終わると枯れた親株を切ってしまうのですが、栽培の途中に親株の茎の根の脇から子株が出てきますので、この子株を使って次シーズン分の栽培をしていきます。
栽培サイクルは野菜に近いですが、地下では根が生きていてまた新たな芽が出てくるので他の作物とは栽培方法が異なりおもしろいですよね。
安全安心の農薬不使用栽培
―――農法のこだわりは?
沖縄の温暖な気候を活かし、一年を通して露地栽培でバナナを栽培しております。
なるべく沖縄で手に入る物で土づくりをしたいと考えていますので、サトウキビの絞り粕やビール工場から出る絞り粕、地元畜産農家から出る有機物をふんだんに使いバナナが健康に育つようお手伝いをしています。
――農業をしていて大変だったことは?
露地栽培をしているので、台風や寒波の影響、獣害被害が大きいことですね。
だからこそ、そういった自然被害がある中で栽培する分収穫できた時の喜びは大きいです。
また農薬を使用していないのは安全安心なものを届けたいとの思いがあるのですが、アップルバナナは登録されている農薬が少ないのも農薬不使用栽培で行う理由の一つです。農薬の使用が難しいため病害虫に対応する栽培方法を考えることも大切になってきます。
病気や虫害は、弱っている作物が被害を受けやすくなります。人間と同じで免疫が低いときに病気になりやすいので、有機物を使用した土づくり、市販の納豆を使用し納豆菌や酵母菌を培養して自家製の肥料を作り、組織を強くすることで病気にかからない健全な作物になるよう心がけています。
アップルバナナの食べ頃
――アップルバナナの食べ頃は?
緑色の状態で発送いたしますので、追熟させてからお召し上がりください。夏は到着後4~7日、冬は到着後10~14日が食べ頃の目安になります。アップルバナナはシュガースポット(黒い斑点)が出ませんので、お好みの熟し具合でお召し上がりください。
食べ頃が分かる案内のリーフレットも添えてお届けします。
そして、青果だけでなく冷凍完熟バナナも販売しております。冷凍完熟バナナはアップルバナナの美味しさそのままに冷凍しておりますので、モチモチ食感と濃厚な甘みが自慢のバナナを追熟せずすぐに食べていただけますよ。
アップルバナナを沖縄の県産品にしたい
――今後の目標や夢はありますか?
露地で栽培しているので特に自然に振り回されるのですが、その自然が味方にもなり、その全てを全身で感じることができるのが農業の魅力だと思っています。
そして農業は教科書がないとも言えます。地域によっても土の質が違ったり、人それぞれ育て方が違うのも面白いですね。答えがないのが難しくもありますが、農業はずっと勉強であると思っています。
今後は、沖縄の特産品としてアップルバナナが広まっていくよう尽力したいです。国産バナナといえば沖縄と思ってもらえるよう取り組んでいけたらと思っています。
また、パラオなどの発展途上国の農業自立支援に注力したいと思っています。パラオは沖縄と気候が似ていたりサトウキビを栽培していたりもしますので、沖縄の栽培方法が役に立つのではと考えています。
国内だけでなく海外の支援活動にも取り組んでいけるよう頑張っていきたいです。
ぜひアップルバナナのりんごのような爽やかな香りとモチモチ食感!自慢の珠玉の1本をお試しください。
◎マルエスファームのアップルバナナは楽天市場で購入できます。
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。