有機いちごで栄養価コンテスト最優秀賞受賞!「食べる人を笑顔にする」至福の味わいの秘密とは

有機いちごで栄養価コンテスト最優秀賞受賞!「食べる人を笑顔にする」至福の味わいの秘密とは
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最終更新日:2023.09.29 公開日:2023.02.14

徳島県で人と環境に優しい100%オーガニックのいちごを作るのは、BUTTOBI BERRY ORGANICの田渕善昭(たぶちよしあき)さん。きらきら輝く宝石のような有機いちごの「食べる人を笑顔にする」至福の味わいの秘密を伺いました。

目次

食べたらみんな笑顔に!幸せな気持ちになる有機いちご

食べたらみんな笑顔に!幸せな気持ちになる有機いちご

――BUTTOBI BERRY ORGANICの読み方は?
そのまま「ブットビ ベリー オーガニック」と呼んでください。

――インパクトがありますね?
そうですよね。次世代に引き継いでも愛着を持てる農園名にしようと思っていたんです。息子や妻とよく聞いていた沖縄のラッパーの曲がイメージしたものと近い歌詞だったため曲名から「BUTTOBI」と名付けました。
そして「BERRY」をつけることで、いちご農家で可愛らしい名前に、「ORGANIC」で安全安心のいちごと分かるようにしました。
また、「BUTTOBI」という言葉には「飛びぬけた」という意味があります。飛びぬけた他にはないいちごを目指したいという想いも込めて「BUTTOBI BERRY ORGANIC」に決めました。

――そんな田渕さんのいちごの特徴は?
徳島県で栽培している有機JAS認証を取得した100%オーガニックです。化学農薬、化学肥料を使っていないので人にも環境にも優しく、本当に安心して食べていただけます。
また、オーガニック・エコフェスタ2022栄養価コンテスト※では、BUTTOBI BERRY ORGANICの有機いちごがいちご部門の最優秀賞を受賞しました。安全安心なのはもちろん、味わいや栄養価の面でも高く評価していただいた自慢のいちごです。

※2023年より同基準で「身体に美味しい農産物コンテスト」に名称変更

さちのか

――真っ赤に色づいていて美味しそうですね!
私たちの農園では、「さちのか」という品種にこだわっているんですよ。さちのかは、光沢があり酸味と甘みのバランスが良くて非常に美味しいです。
果皮がかためなのもポイントで、輸送性、日持ち性が優れていて、完熟まで待ってから出荷ができるので、お客様に最高な状態のものをお届けできます。

いちご好きの方が農園に来た時も「さちのかが一番美味しい」と言ってくれるほど、見た目も味のバランスも最高です。

――Instagramでもお客様の笑顔の写真が多いですね?
そうですね。いちごは魅力的な果物でたくさんの人を笑顔にします。食べると幸せな気持ちになり、思わず顔がほころぶようないちごを作りたいと思っています。

家族3人で農業をはじめたきっかけ

家族3人で農業

―――家族3人で農業をやっているのですか?
はい今は、私、妻、息子の家族3人で農業に取り組んでいます。実は就農から1年目で賞を獲ったのですが、いちご農家になって2年度目になります。

―――すごいですね!どうして農業を?
私が自分の子供や孫には安全安心なものを食べさせたいという想いから食べ物を作る「農業」という仕事に関心を持ちました。安全安心な農産物を目指すのなら、化学農薬・化学肥料を使用しない有機農業に挑戦したいと思い、飲食業から思い切って転職しました。

――ご家族のみなさんの反応はいかがでしたか?
農業がしたいと伝えたとき、家族は反対しなかったです。
かみさんは、本当にやるのだなといった感じでした。何を言っても聞かないんでしょ。やるって言ったら絶対やるのだから、止めても無駄ってわかっている感じでしたね(笑)。
かみさんは実家がぶどう農家でしたので、農業を幼いころから手伝っていたこともあり、今ものすごく楽しいみたいです。

――息子さんもご一緒に農業を?
はい。息子はアレルギー体質で、息子自ら食に対して気を遣っていることが多いんです。そのような背景もあり、有機農業に興味を持ってくれ、今一緒に取り組んでいます。また、難しいとされているいちごの有機栽培に挑戦することに対して面白さを感じているようです。どうしたらいいかなと暗中模索している姿がいきいきしていて、その息子の姿を見ても、農家に転職して本当によかったと思いますね。

「有機いちご」への挑戦

「有機いちご」への挑戦

――息子さんのこともあり有機栽培(オーガニック)にしたのですね?
どうせやるのなら栽培が難しいものに挑戦したいなと思ったんです。
若い頃に10年ほど造園業をしており、その時に盆栽の手入れをしていた経験があるのですが、樹や苗が育つ期間は異なるものの、盆栽の手入れといちごの世話は似ているような気がします。
盆栽の見た目は小さいですが、大自然を連想させる魅力があります。いちごの場合も栽培を通して、オーガニックの社会の実現という大きな目標を連想しながら作業をしています。
どちらの仕事も先に広がる大きな世界を連想させる点が似ていて、魅力のある仕事であると感じています。

農業には露地栽培(野外の畑で栽培する方法)と施設栽培(ビニールハウスなどの施設で作物を栽培する方法)と大きく分けて2つあります。私は、コンパクトに取り組むのが自分の性に合っているかなと思い、施設栽培を選びました。

いちご栽培はどんなところが難しい

――いちご栽培はどんなところが難しいですか?
いちごは、苗づくりから収穫までおよそ13カ月かかります。13カ月の栽培期間は「育苗期間」と「ハウスでの栽培期間」の2つに大きく分けられるのですが、それぞれ難しさがありますね。

まず7~9月頃の「ハウス外での育苗期間」は病気に注意です。
高温多湿の夏の気候で、病気の原因となるカビの動きが活発になり、いちごの苗が病気になり枯れてしまうリスクが大きい期間になります。
例えば、炭疽病(たんそびょう)は、発病してしまうと株全体が枯れてしまう恐ろしい病気です。
ただこの時期の虫の被害はそれほど気にすることはなく、外は自然界のバランスがある程度は保たれていて、天敵となる虫が食べてくれるんですよ。

逆に「ハウス内での栽培期間」において怖いのが虫の被害です。
8月下旬~9月頃に定植した後は冬に向けて気温が下がっていくので、病気のリスクは減っていきます。一方でハウスという密閉空間で虫が発生してしまうと天敵となる虫もいないのであっという間にハウス全体に広がってしまうんです。

夏の育苗期間は病気、定植後は虫の被害。時期によって変化するリスクをどのようにして農薬を使わずにクリアしていくかが難しいところですね。

BLOF理論(ブロフ理論)を徹底

――難しさは時期により変わるのですね。栽培にこだわりはありますか?
1番こだわっているのはBLOF理論(ブロフ理論)を徹底することです。

――ブロフ理論?
BLOF(Bio Logical Farming)理論とは、自然界の法則にしたがった食物生理の科学的根拠と、土壌分析・施設設計に基づいた化学的根拠に合わせた有機栽培技術を指します。

そんな自然界の科学と化学を融合したBLOF理論が、私のいちご作りのベースになっていて、いちごのボテンシャルを最大限まで引き上げ、病害虫に強い健康ないちごを育てることにつながります。

その上でフェロモントラップ(畑の中に卵を産み付ける蛾を捕獲する仕掛け)など物理的な対策のものも同時使用しながら、いちごが快適に過ごせる環境のコントロールをしています。

土づくりではBLOF理論に基づき、いちごが最も光合成しやすいような栄養の送り方、糖の送り方をします。空間づくりでは資質、温度、成分などいろいろなデータを取り、いちごが光合成を盛んに行えるような環境に整えます。病害虫になるべく負けない丈夫な体作りを支えてあげることで、安全安心ないちごを作っています。

1年目で!栄養価コンテスト 最優秀賞受賞

1年目で!栄養価コンテスト 最優秀賞受賞

――コンテストで最優秀賞を受賞されたそうですね!
はい。オーガニック・エコフェスタ2022栄養価コンテストのいちご部門で最優秀賞に選んでいただきました。

このコンテストでは糖度、抗酸化力(老化防止やアンチエイジングに効果のある成分)、ビタミンC、硝酸イオン(味としては苦み、えぐみが感じられる好ましくない成分)、食味評価の5項目が審査されます。
結果、検査機関メディカル青果物研究所が保有する平均データと比較し、BUTTOBI BERRY ORGANICのいちごは抗酸化力が約1.5倍高く、硝酸イオンにおいては約6割と低い傾向があることが分かりました。

食味については、弾力のある肉厚食感で、フルーティで芳醇ないちごの香りが口に広がり、強い甘みと濃厚な旨味を感じ、同時に酸味とのバランスが良くて非常に美味しいという評価をいただきました。

――いちごの栽培を始めて1年目で最優秀賞!どんなお気持ちでしたか?
まさかというのが正直な気持ちでした。
ノミネートされたらいいなくらいの気持ちでいたところ、最優秀賞を受賞したと聞いて驚きました。糖度だけではく抗酸化力の高さや食味など「実際に食べてどうだったのか」というところを大きく評価してもらったようです。

栄養価コンテストは前々から見に行っており、壇上に立った人がキラキラ輝いている様子を見て、いつか自分がステージ上に立つ姿をずっと夢見ていました。
だからその夢がまさか1年目で叶うとは思ってもみず、最優秀賞に選んでもらえて、心の底から嬉しかったです。

世界一のいちごを目指して

世界一のいちごを目指して

―――いちごの栽培をしていて、嬉しい瞬間はどんな時ですか?
花が咲いたり、実がふくらんできたり、いちごの生長に日々喜びや幸せを感じるのもそうですが、一番嬉しいのは、オーガニックの有機いちごを想像以上に喜んで下さることです。

「いちごを無農薬で作ってくれてありがとうございます。」とお客様からの声をいただいた時はオーガニックのいちごに挑戦してよかったと思いました。

―――農業のおもしろいところを教えてください。
農業のおもしろいところは、苦労が結果につながりやすいところです。1年の中でクリアしないといけない課題がたくさんありますが、苦労も楽しさの一つになっています。
いちご栽培は1年を通して作業が続きますが、その中でも特に土づくりは夏の暑い中ハウスで、堆肥をまいたりするので肉体的に大変です。
ただそんな大変なことを、家族でやり遂げる!絶対にやるぞ!という気持ちをもって農作業に取り組む日々はとても充実しています。

振り返ると今年は、土づくりが上手くいったことで旨味が濃くなり昨年よりレベルアップしたいちごをお客様に届けることができるようになりました。
目の前のことに真剣に取り組めるかで未来は大きく変わっていくと思っています。

――今後の目標を教えてください。
先の目標になってしまいますが、「世界一のいちご」と言われるくらいのいちごを作りたいです。そのためには目の前の課題を1つ1つクリアしていくこと、丁寧に作業することがつながっていくのかなと思います。

BUTTOBI BERRY ORGANICはこれからも「食べる人を笑顔にする」至福の味わいを、有機JAS認証のオーガニックいちごでお届けしていきますので、こだわりの「さちのか」をぜひ一度召し上がってみてください。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • 清水麻衣

    楽天農業株式会社の農地スタッフ。静岡生まれ静岡育ち。食べ物で人を幸せな気持ちにしたくて農業を始めました。食べてくださる方とのつながりを大切にしたいなと思っています。農むすびでは野菜の生長する様子、栽培の驚きや嬉しさ、静岡での楽しい農業の日々をお届けします。趣味は朝ラーです。

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