果汁と笑顔がはじける!フルーツみたいに甘いニンジンとは?有機野菜作り25年の加瀬さんへ取材

果汁と笑顔がはじける!フルーツみたいに甘いニンジンとは?有機野菜作り25年の加瀬さんへ取材
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2021.02.22

千葉県香取市にある「加瀬農園」は土にこだわり、農薬や化学肥料を使わない有機栽培で25年間以上、有機野菜を作っています。フルーツみたいなみずみずしさの真相とは?畑へ行き伝説のニンジンを味わってきました!

有機野菜づくりの先駆者!加瀬さんの畑へ行ってきました

楽天ファームで2月22日より新発売の土からこだわったオーガニックにんじん(訳あり)」の魅力をインタビュー。ニンジンはもちろん、味わい深い笑顔から滲み出る生産者加瀬さんのキャラクターが気になります!!(※2021年2月11日に取材。感染予防のため当日は常にマスクを装着し消毒をして、畑では距離を保ち会話。撮影時のみマスクを外しています)

これまで食べていたニンジンの常識を覆すような、新感覚のみずみずしさ!

さっそく食レポ。畑で加瀬さんの作るニンジンをいただいてみると…?
生でもえぐみがなく、食べやすい!みずみずしい歯ごたえがまるで梨みたい!

フレッシュで爽やかな甘さが、口の中でふわ~っと、やさしく広がりました。なるほど、たしかにフルーツみたいです。これなら野菜嫌いなお子さまにも好きになってもらえそうです。

加瀬さんへ、有機野菜を作ることにしたきっかけや、伝説のニンジンが誕生するまでの物語りをお伺いしました。

―――ニンジンなのに甘くてフルーツみたいといわれる理由は?

みずみずしさでいうと、飲料水の水質基準がpH 5~8といわれる中、以前うちのニンジンを計ってもらったらPh7あった。人間のカラダに自然と馴染む数値らしいね。野菜のプロいわく、包丁を入れたときにスーッと軽く切れる感じでそのにんじんの鮮度や水分量がわかるらしいから、試してみるとおもしろいかもね!まずは、サラダやジュースで、ニンジンそのものの甘さを楽しんでほしいね。

―――「土の世界」を大切にしている加瀬さん。おいしさの秘密はなんですか?

秘伝のオリジナルブレンド!土作りに欠かせない堆肥(たいひ)は全て手作り。

良い土の条件は、畑の状態を整えてくれる微生物がたくさんいること。木くずや落ち葉、豚のフン、もみ殻など、じっくり発酵させて作った堆肥にはバクテリアがいっぱい!これを畑に入れることで「生きた土」になるんだ。堆肥は独自のブレンドで野菜の種類によって配合比率を調整して使い分けてるよ。

畑の土を微生物がいる環境に保つには、微生物の餌となる炭素が大事。人間の腸内菌と同じで、微生物やバクテリアが媒介して土の中を健康な状態にしてくれるんだね。ほかにも人の手で雑草取りなど、本当の意味で畑をクリーンな状態にするために、工夫と手間と暇をかけて有機栽培に取り組んでるよ。

―――日本では先駆け!有機栽培をはじめたきっかけは?

25年前に何の迷いもなく決めた。今は、間違いじゃなかったと確信してる。

加瀬家はもともと親の代から農家が続いていて、自分は4代目。加瀬農園でも高度経済成長期のころは、化学肥料や農薬を使ってた時期もあるよ。でもさ、化学肥料で無理やり与えられた栄養で育つ野菜や、どんどん力を失っていく土を見て「畑が壊れていく…、これは違うな」って気づいたんだよ。当時、有機栽培をやってるところは珍しく「肥料や農薬を使わずどうするんだ!」「売れないんじゃないか」など、周りから反対の声もあったけど「売るのが先か、作るのが先か」と考えて、俺は作るのが先だと決めて、迷わず有機栽培の方へと舵を切った。

今では8haある畑のうちの5haが有機栽培で、4~6月はキャベツとブロッコリー、6~7月は春にんじん、8~11月は里芋、11~3月は秋冬にんじん、さつまいもと冬ネギを作ってる。この規模で路地野菜を作っているケースは珍しいみたいで、評判を聞きつけたオーガニック野菜専門店や、農大の学生や農業事業者、料理人、海外からもアメリカやカナダなどの研修生たちが、定期的に畑へ現地視察に来るよ。

―――加瀬さんが目指す農業とは?

農業を楽しく、おもしろくする仕組みが作りたかった。だから今、すごく楽しい。

土づくりに力を入れて農業に従事しようと思ったのも、人との出会いがあったから。農業の家系だからではなく、この仕事をやっている意味を持ちたいとずっと考えてた。そんなとき、『農業を楽しく、おもしろくする』という理念を掲げる生産者連合の社長と出会った。そこから色々な人に有機栽培を教えてもらいながら、「自分が楽しい農業のしくみ」を作ることを考えたんだよ。試行錯誤もあったけど、俺のやり方は10年くらいかかるかな。有機農法は教わるものじゃなく、人のまねをして、自分のものにすること。息子にも、息子の農業の道をいけばいいと思ってるよ。

―――有機栽培を通して自身が変わったことは?

それは笑顔! 自然に育ててもらううちに、自分もいい顔になってきた。

野菜や虫も全部含めて、野菜も俺も自然に育ててもらってんなって感じる。農薬不使用なので、畑にテントウムシや青虫なども遊びにきてくれるけど、目が合うと思わずにっこりするよ。土の中にいるバクテリアも増えてうれしいね。自分も人間という生物のひとつ。野菜を食べる害虫は仕方ないからつぶすけど、家や倉庫で虫が入ってきたらそっと外に出してやるよ。最近は無駄な殺生も嫌だよね。自然の中で仲間とうまく共存していきたいと感じるようになった。だからかな、だんだん俺っていい顔(笑顔)になってきたと思う。

―――やりがいを感じる瞬間は?

手描きの手紙をもらうことも!やっぱりお客さまの声はうれしい。

もちろんおいしい野菜が育った時の達成感もあるよ。ありがたいことに「どこのニンジンより瑞々しい」と評価いただいたり、全国の食材にこだわりを持つ高級料亭やレストランのシェフ、個人でリピーターのお客さまも多くて、こんな有機野菜を作ってほしいなどのリクエストから、ニンジンのイラスト、食べてみた感想などの手紙を送ってきてくれるね。

―――特に印象深かった手紙はありますか?

どの手紙もうれしいから答えずらいけど…。(しばらく考えて)
癌で入院中の旦那さんを持つ奥さまからの手紙かな。体にやさしいものを食べさせてあげたいという想いで、方々で調べた結果、うちのニンジンにたどり着いたそうだよ。最後に届いた一通には「いつも夫は加瀬さんのニンジンをおいしそうに食べてました」と書いててね…。涙出たよ、胸に熱く感じるものがあって、今でも忘れられないね。うちのニンジン食べてくれて本当にありがたかった。

不思議かもしれないけど、野菜も人間も「生きるための力」ってあるんじゃないのかな。これからも、農薬や化学肥料に頼らない有機栽培で「野菜本来の生命力」を引き出していきたいと思う。

ニンジンが主役の絶品レシピ3

取材時のお裾分けニンジンたち。オレンジと黄色い金美(きんび)ニンジンはとても色鮮やかです。せっかくの有機なので皮ごと全て味わい尽くしたい!加瀬さんのニンジンで、ご家庭でも簡単につくれる「ニンジンが主役のレシピ」を3品作ってみました。ニンジン好きな方はぜひ、作ってみて下さいね♪

レシピ①ごはんがすすむ!福島県の郷土料理「イカニンジン」

◆材料:2人分

・ニンジン…5本
・するめイカ…適量(ハサミで細く刻む)
・ねばねば根昆布…適量(ハサミで細く刻む)
・めんつゆ…65㎖くらい
・お酒…少々 

<作り方>調理時間10

①ニンジンを千切りにする。
②①に根昆布とするめカを混ぜ、調味料を加え合わせる。
③下の写真のようにラップをかぶせ、手で抑えて味を染みさせる。
④冷蔵庫に入れ一晩寝かせたら完成。

レシピ提供:おばあちゃん(福島県出身)

〇食べてみた感想

濃厚なするめの磯の香りと、ニンジンのシャキシャキした食感がたまらない! 根昆布のねばねばがコーティングとなり旨味が口の中に広がりクセになる味です。白飯3杯いけそう(笑)。めんつゆで簡単に作れるし、気軽に作り置きできそうですよ。

レシピ②金美(きんび)の黄色が美しい!「肉巻きニンジン」

◆材料:2人分

・オレンジニンジン…1本
・金美(きんび)ニンジン…1本
・豚ロース薄切り…200g
・小麦粉…適量
・サラダ油…適量
・醤油…大さじ1
・みりん…大さじ2

<作り方>調理時間20

①ニンジンは5cm程度に長さをそろえ、扇の柱型に切る。
②①を固めに下ゆでしておく。
③豚肉をひろげる。
④②のニンジンを黄色とオレンジの順番になるように重ねて、豚肉に置く。
⑤手前から巻き込み、小麦粉をまぶし3本つくる。
⑥フライパンに油を熱し、⑤の巻き終わりを下にして焼き、全体に火が通ったら調味料を加えて絡めながら焼く。
⑦焼きあがったら斜めに包丁をいれて半分に切る。
⑧ニンジンの色が見えるように盛り付けて完成。

〇食べてみた感想

普通の肉巻きニンジンだとつまらないなと思い、少しひと工夫してみました。扇の柱型にニンジンに切って、黄色×オレンジを活かせるようにアレンジすると食卓が華やかになりました♪

レシピ③作り置きに便利「フルーツとニンジンのラぺ」

◆材料:2人分

・ニンジン…2本
・リンゴ…1/2個
・紫ラディッシュ…適量(お好みで)
・チーズ…適量(お好みでブルーチーズでも良い)
・千鳥酢…大さじ5(ふつうの酢やビネガーでも良い)
・オリーブオイル…大さじ2
・キビ砂糖…大さじ1
・塩…少々
・ブラックペッパー…少々
・クミン…適量(お好みで)
・パセリ…盛り付け用(なくても良い)

<作り方>調理時間10

①ニンジンとリンゴを5cmの長さに細く千切りにする。(チーズおろし器、スライサーで薄くしてから包丁で切るなど)
②①に調味料を加え合わせる。
③冷蔵庫に1時間寝かせて、しっとりしたら出す。
④立体的に美しく盛り付けて完成。

〇食べてみた感想

フルーティーなにんじんなので、フルーツとして食べれないかな?という発想で、リンゴを合わせてみました。クミンで香りづけ。チーズも登場させてワインとも相性GOODです♪

編集後記

人は、顔に生き様が現れるといいますが、加瀬さんのこの笑顔! 愛おしそうにかわいい堆肥を手に取る姿、ほんとうにステキでした。 畑ではみずみずしいニンジンを丸ごと1本たいらげましたが、実は、ニンジン特有の香りが苦手な私でも全く気にならなかったですよ(笑) お家では、加瀬さんのあの笑顔を思い出しながら、ニンジン料理をいただいてみると、いつもより何倍もおいしく感じました。(なんて、しあわせ~) 今回、現地撮影からアテンドまで、株式会社温市(ぬくもりいち)の河合さんに多くご協力いただきました。ありがとうございました。取材当日「温りのある食卓と畑の架け橋になりたい」とおっしゃった言葉がとても印象的でした。カメラを片手に全国の畑巡りに奔走されている姿を、いつか取材させてください。(キカ)

※今回ご紹介の「オーガニックにんじん」は5kg、10kgでご購入いただけます。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • Kika

    農むすび編集部。兵庫県出身。祖母は愛媛のみかん農家。段ボール箱で毎年みかんが届き1日10個以上食べていた。趣味はARTと旅とワイン。金融から農業のメディア編集にチェンジ。農家ってカッコイイ!子供たちが憧れる職業となるよう、農家さんの人生に向き合い、心に響く記事作りを心掛けている。

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