年齢なんて関係ない!定年退職して農業へ!役所勤めから就農したエネルギーの源は給食への想い

年齢なんて関係ない!定年退職して農業へ!役所勤めから就農したエネルギーの源は給食への想い
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2020.03.12

転職に年齢なんて関係ない!と、定年後の仕事を国内外で探し回った末、農家へ転身した子どもの野菜湘南藤沢農場の春日和己(かすが かずみ)さんに、農業を選んだ背景とやりがいなどをインタビューしました!

目次

国内外に次の仕事を探す旅へ

――農家になる前はどのようなことをしていたのですか?

1977年に東京都多摩市役所に入庁以来、37年の間企画や、財政、教育、市民活動支援など、様々な部門に従事してきました。やりがいもあり、素晴らしい仕事だなと思っていたのですが、死に物狂いで、命がけでやったという感覚が薄く、自分の中でのもっと達成感が欲しいと思っていました。

だから定年を迎える数年前から自分には何ができるかと考え、世界を見渡して、一人でも多くの人に全精力を注いで役立つことを目標としました。そして困っているのに自分の力では解決できない子どものために何かをしようと思いたち、役所の仕事の傍ら、毎年世界中の貧しい国々へ行きました。電子辞書を片手にバングラデシュ、ネパール、インド、チリ、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、ヨルダンを訪れ、学習の面で力になりたいと思いました。

ところが2011年に東日本大震災があり、日本でも困っている人が多く出ました。子どもたちの生活、勉強はどうなのかと現地へ赴くと、NPOやボランティアが続々と支援に入っており、学習については自分が行かなくても大丈夫という気がしました。

他に自分がやるべきことを考えたときに、日本で最も課題を抱えているのは農業だということに思い当たり、そこから農業への道が、どんどん開かれていったのです。

定年退職後に農家への道がつながった瞬間

当時、公民館の仕事で、神奈川県藤沢市でホームレスの方々の社会復帰を支援している小島希世子さんへインタビューをしに行きました。そのご縁から体験農園に誘っていただきやってみたのが私の農業への入り口でした。

そして退職前の最後の1年に人事異動があり、学校支援課に移りました。そこでは新たに学校給食事務と小学校で生徒が有機栽培をする菜園プログラムを担当することになりました。すると時を同じくして、都内で子どもが学校給食を食べてアレルギーで亡くなるということが起こり、とても心が痛みました。

やっぱり子どもたちの役に立ちたい!自分が全精力を注ぐべきは子どもの健康だ!
偶然にも、最後の人事異動からご縁があり始めた体験農園の野菜作りが、一本の道につながり、自分の定年後の進路を方向づけました。そして子どもたちの健康を考えた結果、学校給食を通じてより安心安全な野菜を提供するという明確な使命がみえました。

農業のやりがい

農業はまず1番に育てるのが楽しい!そして良いものができたとき、評価をもらえるのがうれしいです。最近は農家レストランいぶきや近くのカフェにも野菜が使われていて、納入するたびに「にんじんが甘くて人気です!」と声をかけてもらうことにやりがいを感じます!経済的な面でいえば、自給自足ができることもいいですね。

また6月と12月に開催している収穫体験会にて、子どもから大人まで参加者のみなさんで、収穫後に畑で採れた野菜を調理して食べるのも楽しみとなっています。

写真:12月の収穫体験会にて。参加者たちとパシャリ

――楽天ファームはいかがですか?

お客さまとコメントで直接交流ができるので、自分が作ったものを、誰が食べるかが分かるところがいいと思います。口にする人をはっきりと意識するからこそ、より良いものを作らなければと励みにもなりますし、やりがいも感じられます。

あとは自分で適正だと思う価格をつけられるのも、契約農家になってよかったと思うことです。他のサービスでは価格競争になって気を揉むこともありますが、お客さまは生産者の想いやこだわりに対して価値を感じてくれて、美味しい農作物が提供できると、コメントでもしっかり応援してくれます。

春日さんの1日のスケジュール

<冬の1日>
6:00 起床
8:00 家を出る
10:00 畑仕事スタート
15:00 畑仕事終了
17:00 帰宅、受注確認、発送作業
19:00 仕事終了
23:00 就寝

実は、毎日片道2時間かけて畑まで通っています。畑仕事が終わると、野菜を車に積んで、また2時間かけて立川まで帰ります。家で箱詰めをするので、野菜が新鮮なうちにお届けできるよう、19時までに配送業者へ持ち込み即日発送をしています!

<夏の1日>
4:00 起床
5:00 家を出る
7:00 畑に到着
12:00 畑仕事終了
14:00 帰宅
19:00 発送完了
22:00 就寝

真夏は時間をずらして、朝4時起きをして、畑仕事は午前中で切り上げるようにしています。

――休みの日は何をしているのですか?

畑に行くと野菜たちからエネルギーをもらえるので、休みの日はあまり作りたくないんです。家ではテレビをみて過ごしたり、本を読むのが好きで読書も結構します。農業関連の本が多いですね。

年齢は関係ない「意思とエネルギーと気力だ」

――農業を始めるのに年齢は関係があると思いますか?

年齢なんか考えてもしょうがないです。やると決めたからにはやるしかないんです。
死に物狂いで、俺にはこれしかないのだという「意思とエネルギーと気力」が大事。そのようなやる気を持っているというのが農業を続ける上で大切だと思います。就農準備校でも脱サラした若い人は多いけど、補助金が切れたのを機会に辞めてしまう人も多いようでした。

でも農業では「意思とエネルギーと気力」さえ強ければ、うまくいくような新しいやり方を考えることなんていくらでもできるだろうと思っています。自分も6年前に農業を始めた時に定めた目標にはまだ程遠い状況ですが、人との出会いを力に、チャレンジを続け、人生100年時代を楽しく謳歌したいと考えています。

春日さんの前回の記事もあわせてどうぞ
●子どもたちに安心安全な野菜を届けたい!完全無農薬、除草剤も肥料も使わない野菜の秘密 

編集後記

畑まで2時間の通勤をされていると聞いたときはビックリでした!春日さんの農業にかける想いが強く、それが年齢を超えた大きなエネルギーになっているのだと感じました。それと同時に取材中は終始、笑いが絶えることなく、リピーターが多いのは春日さんのお人柄だと思いました。これからも春日さんを陰ながら応援させて頂きます。貴重なお時間をありがとうございました!

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • takky

    農むすび編集部にインターンシップをしている大学生。両親の実家がどちらも農家で農業には昔から親しんできた。現在は、スペイン語話者向けの日本の魅力を発信するメディアを作るため奮闘中!Mottyから日々、ご指導を受けています。