管理栄養士はどう使う?つるのこ芋1箱が届いたときの保存方法や栄養素ご紹介
大量のつるのこ芋が届いたらどうしますか?契約農家、山口次郎(じろう畑とまさみの食卓)さんよりつるのこ芋が届いたので、栄養素や保存方法について、管理栄養士の私がご紹介します。
実際つるのこ芋1箱ってどのくらい?
箱のサイズは26cm×12cm×16cm。新聞紙の上に出して数えてみると、76個(約2.1㎏)ありました。大中小のミックスで、1個の大きさは20~50g程度。芋は泥つきで湿っており、鮮度の良さが伺えます。また、農家さんの顔写真入りの葉書やリーフレットが同封されており、ほっこりとした気持ちになりました。
形が鶴の首に似ている「つるのこ芋」は、熊本県阿蘇高盛町の郷土料理「高森田楽」に使用する里芋で、小ぶりで粘質、煮ても形崩れしないのが特徴。高森田楽を提供する飲食店との契約栽培が中心で、一般的には出回っていない作物です。
(引用:熊本県庁HP 鶴の子芋https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_1237.html)
農家さんからのお手紙の中に、小粒は「きぬかつぎ」でぜひ!とアドバイスをいただいたので、さっそく皮のまま茹でていただきました。小粒サイズは10分弱で串がすっと入る柔らかさに。塩をひとふりしてパクリ!ホクッとした食感で、じゃがいもに近い味わいです。(とっても美味しい…)
現地の学校給食ではカレーやシチューに入って登場することもあるそうです。
つるのこ芋の栄養は?
<つるのこ芋(里芋)可食部100gあたりの栄養価>
エネルギー:58kcalたんぱく質:1.5g
脂質:0.1g
炭水化物:13.1g
食物繊維:2.3g
カリウム:640mg
食塩相当量:0g
(日本食品標準成分表2015年版(七訂)「さといも・球根・生」)
つるのこ芋(里芋)の主成分はでんぷんですが、他の芋と比べてエネルギーが低く(さつまいもの半分以下)、ダイエット中にもおすすめの食材です。食物繊維が多く含まれており、特にカリウムの含有量は芋類の中でもトップクラス。食物繊維は腸内環境を整え、コレステロールを排出するなどの働きがあります。カリウムは体内の余分な塩分の排出を助け、高血圧の予防・改善に役立ちます。どちらも生活習慣病の予防のために積極的に摂りたい栄養素です。その他のビタミン類が少ないので、β-カロテンやビタミンCなどを多く含む、色の濃い野菜などと合わせていただくと良いでしょう。
管理栄養士ならどう使い切る?
芋自体が小ぶりで細長いため、調理の際は茹でてから皮を剥いた方が手軽だと感じました。火にかけて10~12分程度、串がスッと入るくらいまで茹でるとツルッと剥けます。
食べ方ですが、まずは「きぬかつぎ」で素材の味を楽しみます。カレー塩や、味噌にゆずこしょうをほんの少し加えたゆず味噌もおすすめです。(芋好きの息子は、何もつけずにバクバクと食べていました!子供の舌は正直ですね 笑)また、いつものポテトサラダをつるのこ芋で作れば低カロリーに仕上がります。チーズをのせてグラタン風にしたり、コロッケにアレンジしても良いと思います。
カンタンに保存するには?
1番簡単で長持ちする保存方法は、湿った泥がついた状態で新聞紙に包み、風通しの良い冷暗所で保管することです。この方法で約1カ月程度持ちます。
余裕のある場合は、大きさごとに分別しておくと料理の使い分けが出来て便利です。ただし、芋の表面は乾燥しやすいので、届いたら手早く行いましょう。
次回は、つるのこ芋を使った栄養満点のレシピをご紹介します。
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- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
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